「24日、競泳女子400mリレーの日本代表が惜しくも予選敗退。悔しそうな表情を浮かべる選手たちに向かって、松岡さんはまず『皆さんはすべてを出したと思っています』と声をかけました。さらに、『終わってしまったことはどうにもならない』と険しい顔をする酒井夏海選手には『笑顔がいちばん似合いますよ』と思いっきりエールを送った。ストレートに励ます、というのは誰にでもできることではないですよね」(前出・テレビ朝日関係者)
元NHKアナウンサーで『サンデースポーツ』などを担当し、五輪取材経験も豊富な中村克洋さん(70才)は、松岡の観察力をこう評価する。
「松岡さんは勢いや熱意だけが注目されがちですが、海外で活躍していたテニス選手だけあって語学力が抜群。7月25日の競泳取材では、米・NBCが英語で池江璃花子選手にインタビューしている様子に耳を傾け、『海外の選手が(池江選手に)いろんなメッセージをくれたんだって。世界のスイマーの友達から思いを感じつながっているんだと思いました』と述べていました」
テレ朝に修造あれば日テレに有働あり。そう言いたくなる安定感を放つのが、日本テレビスペシャルキャスターの有働由美子アナ(52才)だ。有働アナの真価はインタビューにあると、日本テレビのスポーツ番組関係者はうなる。
「事前番組では、柔道の井上康生コーチに対し、“当時(井上の選手時代)、私たちがつきあっている説があったの知ってますか”と切り込んでいて驚きました。今回の五輪ではこれまで以上に突っ込んだ取材をしたいと思っているようです」
上田が新型コロナ感染で欠けてしまったいま、有働アナと共に五輪取材にあたるのは明石家さんま(66才)だ。
会期中は15時間以上もテレビに張り付き、選手よりもキャスター観察に精を出すという、テレビウオッチャーの今井舞さんは、彼をこう批評する。
「メインキャスターの明石家さんまは正直、キャスターではなく、お笑い番組の司会者。今回は判定不能です」
確かに、7月19日に放送された『さんま×上田×有働! 今だから話します キャスター大集合SP』(日本テレビ系)で、さんまは奔放な発言を繰り返していた。陸上の桐生祥秀選手に対して「引退する覚悟でいくんだ?」と質問。桐生選手が引退を否定した後も「まだしないんだ?」と笑いながら畳みかけた。
「スポーツ選手のことも、お笑いショーの素材としか思っていないのでしょうね」(今井さん)
日本テレビの報道番組『news zero』のキャスターで、6度の五輪取材がある櫻井翔(39才)。今回はNHKの顔を務めている。そのリポート力に前出の中村さんは太鼓判を押す。
「“いよいよ国立競技場にオリンピックの息が吹き込まれる”“悔し涙をうれし涙で書き換えた”など、彼独自の印象的な言葉で表現していた。普段ラップを作っている表現者としての実績が生きていると思います」