■ニッポンの社長(辻、ケツ)
ロコディ、ビスブラと並んで、マンゲキのコント師として忘れてはならない存在が『ニッポンの社長』、通称『ニッ社』ですね。この3組はKOC決勝にも進出した経験があり、全国のコントファンの中での知名度も高いでしょう。7月にはロコディと彼らの単発冠番組である『おかわりコント学園』(読売テレビ)が放送されました。ロコディとはまた違う、かなり独特な空気をまとっているコンビで、ネタも特殊です。
ニッ社は劇場に通うお笑い好きの中でも、特にファンが多い印象がありますね。複数のコンビがネタを披露する劇場公演で彼らが登場すると、『おー!』『わー!』という女性ファンの声も聞こえてきます。辻さんとケツくんのデコボコな相性も魅力です。
■マユリカ(阪本、中谷)
ビスブラと同期の『マユリカ』も、劇場に通うお笑い好きの間で愛されているコンビです。漫才師としての実力は以前から折り紙付き、彼らもスベり知らずという印象ですね。関西の若手芸人のラジオなどでも『マユリカは面白い』という話をよく耳にしますし、劇場でも彼らが舞台に現れると、その瞬間に笑いが起こるほどです。漫才が面白いと評判ですが、コントも実力派なのでKOCも期待できると思います。
2020年、彼らは『ytv漫才新人賞決定戦』の決勝進出が決まっていたのですが、中谷さんに新型コロナウイルス陽性者の濃厚接触者の可能性が浮上したことで、直前で棄権となってしまったのが残念です。関西のお笑い好きには知名度がありますが、関東ではそこまで知られていないと思うので、活躍してほしいですね。
■その他、注目のコント師たち
この他、シュール系のネタが好きな人に注目してほしいのは『シカゴ実業』(山本プロ野球、中川ひちゃゆき)と『隣人』(中村遊直、橋本市民球場)です。『隣人』は2021年の『第10回 ytv漫才新人賞決定戦』で優勝している実力派。また、今から注目しておきたいコンビとしてはNSC35期で『ゆりやんレトリィバァ』と同期の『20世紀』(しげ、木本悠斗)もいます。彼らのコントはマンゲキではとてもよくウケていて、かならず拍手笑が起きます。コンビ2人とも山口県出身なので、関西色は強くないです。アングラ演劇風の空気も感じます。
──関東では「かが屋」「空気階段」などの若手芸人が台頭するなか、関西でも実力派コント師が群雄割拠している状況だ。今年のKOCは「即席ユニットOK」などのルール改正もあり、ピン芸人も出場できるようになった。はたして誰がコント日本一の座を掴むのか、今から秋の決勝が待ち遠しい。