ワクチン担当相(写真/共同通信社)

河野太郎ワクチン担当相(写真/共同通信社)

 冒頭のRIKACOや近藤さんの例は、副反応の発熱に苦しんだ氷山の一角だ。高熱によるめまいや頭痛、関節痛や下痢などの症状でも充分に苦しい症状だが、取材のなかでは、あまりの高熱に卒倒して数十時間も意識を失っていた人や、ひきつけ(痙攣)を起こした人、せん妄を起こして一時的に精神的に錯乱した人もいた。

 発熱のメカニズムは詳しく後述するが、多くの医師は「発熱は正常な免疫反応ですから心配はいりません」などと説明する。だが、命にかかわるケースでも、本当にそう言えるのだろうか。

「がん闘病中の妻が接種翌日に高熱を出して緊急入院した」と明かすのは、都内の会社員・高橋啓二さん(仮名・45才)だ。

 ステージIVのがんを患う妻は、まだ30代ですが、コロナに感染すると高リスクだということで、ワクチンを接種することにしたんです。“接種にリスクはない”という説明で安心していましたが、翌日には40℃の熱が出て救急車で病院に運ばれました。医師は、“ワクチンとの関係は不明”と言いますが、ここしばらく病状も安定していたし、こんなに急激な発熱は初めてなので、どう考えても副反応です。

 この発熱によって、予定していた抗がん剤の治療も先延ばしになりましたし、がん治療はストップ。弱っている内臓も、この高熱でいつ機能を失ってしまうかわかりません。ワクチン接種が命取りになりかねず、本当に接種を恨んでいます」

 新潟大学名誉教授の岡田正彦さん(予防医療学)が指摘する。

「ただ熱が出るだけ、とタカを括ってはいけません。若い人でも体力が充分でない人や、もともと病弱な人、高齢の人は、急な発熱から命にかかわる事態になることもあります。油断せず、周囲が容体を見守り、急変があったら迷わずに病院に駆け込むべきです」

まだ誰にもわからない

 コロナワクチンの接種後に、発熱の副反応が頻発するのはなぜか。岡田さんの解説。

「ファイザー製とモデルナ製のワクチンは、『mRNA』という遺伝子の一部を体内に注射するもので、本格的なワクチンとしては人類史上初です。このため人体にどんな影響が出るか、まだわかっていないことが多い。高熱が頻発するメカニズムも、明確にはわかっていません。最も懸念されているのが、発熱の発生率の高さと症状の重さです。接種後にこれほど高い確率で38~40℃の高熱が出るワクチンを、私はこれまで見たことがありません」

関連キーワード

関連記事

トピックス

クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
役者でタレントの山口良一さんが今も築地本願寺を訪れる理由とは…?(事務所提供)
《笑福亭笑瓶さんの月命日に今も必ず墓参り》俳優・山口良一(70)が2年半、毎月22日に築地本願寺で眠る亡き親友に手を合わせる理由
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン
温泉モデルとして混浴温泉を推しているしずかちゃん(左はイメージ/Getty Images)
「自然の一部になれる」温泉モデル・しずかちゃんが“混浴温泉”を残すべく活動を続ける理由「最初はカップルや夫婦で行くことをオススメします」
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月20日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン