私自身、都心部に住んでいることもあり、コロナ禍の感染リスクを控えるために外食を控え、自炊を続けてきたので、それが結構なストレスになっていた。とくに夏はキッチンに立つのもおっくうで、買い出しする気力もなくなっていた。
そんな状況から救ってくれたのが、『きのう何食べた?』でした。家にいる時間をストレスだと感じていたけれど、自炊を軸にして、自宅時間を楽しむことの素晴らしさを教えてくれた。シロさんが作る料理のレシピを真似して調理をするのが楽しいですし、栄養バランスも良くなりました。昨日は、ジルベールの純豆腐を作りました(笑い)」(Aさん)
押し付けがましくない「問題提起」
Aさんがレシピを真似したという「ジルベール」とは、作中で“美少年・ジルベール”として登場する井上航(磯村勇斗)のことだ。ジルベールのファンだという女性・Bさん(20代/大学生)は、同作を「コロナ禍だからこそ見返したい作品」だと話す。
「この作品は、シロさんとケンジのほか、山本耕史さん演じる小日向大策さんとジルベールなど、同性愛カップルが登場します。私は、大学でLGBTQに関する授業を受けたり、SNSでフェミニズムの論争が起こったりしているのを見ていて、これまで違和感を持っていました。『差別はダメだ!』と頭ごなしに押し付けられているような気がしていたんです。
私には同性愛者の知人も、トランスジェンダーの友人もいます。そこで普通に友達として接してきたので、あらためて『差別はダメ!多様性を大事に!』などと教育されることが、少し息苦しくて。もっと自然で良いのにと思っていました。