ファイザー製やモデルナ製を接種した後は、発熱や倦怠感などの副反応が出ることが知られる。特に2回目の接種後は強い副反応が出やすいとされ、それを恐れてワクチンを拒否する人がいるほどだ。
だが室井さんは「副反応は免疫機能の現れです」と語る。
「体内に異物が侵入すると、免疫細胞のなかにあるB細胞が働いて抗体をつくります。その際に生じるのが発熱などの副反応であり、そうした免疫反応が強く出るほど、抗体価が上がりやすい。
一方で、逆に副反応が小さい場合でも抗体価は高まることがわかってきており、そこは安心です」(室井さん)
合併症が致命的になる
ワクチンを2回打ち終わったのに新型コロナに感染する「ブレークスルー感染」の研究も興味深い。
イスラエルのサムソン・アスタ・アシュドッド大学病院に所属する医師などがブレークスルー感染した患者152人の基礎疾患を調べた。
その結果、トップは高血圧(108人)で、糖尿病(73人)、免疫不全(60人)、慢性腎不全(48人)、虚血性心疾患(43人)が続いた。
研究を主導したタル・ブロッシュ・ニシモフ医師は本誌・女性セブンの取材にこう語った。
「ワクチンが画期的なゲームチェンジャーになるという当初の目論見は崩れました。
デルタ株はワクチンを接種した人でも感染する可能性があり、免疫力が低下していたり、複数の合併症を抱えていたりすると、重症化したり、致命的な感染症になったりすることが私たちの研究で明らかになりました。
それでもワクチンが、現在の人類が取り得る感染対策のなかで最も重要な戦略であることは変わりません。そのための取り組みこそ、3回目の接種なのです」
河野大臣の発言の通り、日本でも3回目接種に向けた取り組みが本格化するなか、岡田さんは「年4回もあり得る」と指摘する。
「海外の研究では、ワクチンは2~3か月で効き目がほぼなくなることが明らかになっています。もしワクチンの効果に期待するなら、これから先、ワクチンを1年に4回打たなければならないことになります」(岡田さん)
この先、何回ワクチンを打つことになるか不明だからこそ、自分がどのリスクファクターを持っているかを把握しておきたい。
※女性セブン2021年9月16日号