散々B級映画扱いしていたものの、この世には互いの「正義」というものが存在し、それは相容れないことがよく分かる。時はおりしもアフガニスタンではタリバン政権が全土を制圧し、新政権が誕生。タリバンにはタリバンなりの正義があるし、これまで同国に駐留していたアメリカにも正義らしきものはあった。
しかし、アメリカはアフガニスタンから撤退したわけで、タリバンとしては「雪男草」をアメリカから守った、という感覚でいるのだろう。だが、アフガニスタンの民衆からは自由が奪われたという声も多数聞かれる。
実際に『食人雪男』を鑑賞していた時は単なるB級映画として楽しんでいたのだが、終わってみると案外示唆に富んだ作品なのでは、とも思わされる不思議な映画だった。