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2021.09.26 07:00  NEWSポストセブン

物議を醸す「45歳定年」 定年という言葉が使われている時点でムリがある理由

定年そのものを廃止してはどうか?

 様々な論点が考えられるが、中でも「定年制」「エンプロイアビリティ」「外部労働市場」の3つをピックアップして考え方のポイントを提示したい。

 まず定年については、45歳まで引き下げることが現実的ではないことを踏まえると、逆に定年そのものを廃止してはどうかと考える。会社には、年齢を理由とした雇用契約解消を認めない。一方で、解雇に関するルールを整備し、金銭や教育訓練機会の提供など一定水準以上の補償を行うことを条件に、必要な技術や能力を有さない社員を解雇できるようにする。

 エンプロイアビリティについては、他社でも通用する技能を身に着けられるよう、会社に社員の能力開発義務を課す。副業や兼業を積極的に推奨し、社員が外部接点を持つ機会を増やすことで、より好条件の会社へ転職しやすくなるような土壌を作る。

 それを日本中の企業が行えば、せっかく教育した人材が自社から流出するリスクはある一方、他社から教育された人材を迎え入れられるチャンスも増えることになる。会社は、45歳までの卒業を目指して社員を教育する。一方で、そのまま45歳以降も社内に残る選択肢も設ける。

 外部労働市場については、会社が社員のエンプロイアビリティ向上に取り組む中で副業や兼業などを推奨し、外部接点を持つ機会を増やしていけば自ずと活性化されていくことが期待される。

 さらに、国が45歳以上の働き手を対象に転職を促進する助成金を設けたり、失業時の手当てや教育訓練機会の充実を図ることができれば、会社が45歳以上の社員採用を増やすインセンティブとなる。

 国家戦略会議で40歳定年制が提案されてから9年経つが、今のところ残念ながら議論が前に進んでいる気配は感じない。現在の雇用システムを今後も維持できるのか。あるいは経済界が言うように維持は難しいのか。その検証も含めて、議論を前に進めていく必要がある。

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