勝負所で代打に起用される亀井
広島3連戦の成績はウィーラーが8打数3安打、中田は9打数1安打だった。中田は阪神3連戦で2試合連続スタメンも、7打数0安打に終わった。3試合目はベンチスタートだったが、8回の同点に追い付くチャンスで北村拓己の代打で登場したものの、凡退した。
「ウィーラーも後半戦調子が良くないが、中田はそれ以上に打てていない。同じファーストの中島宏之は好調を維持していたが、中田にスタメンを奪われている間に調子を落としてしまった。北村は中田がいなければ、そのまま打席に立ったでしょう。そもそも、今の状態なら、中田より北村のほうが可能性を感じられた。1人の選手がイレギュラーな形で加入し、打てないのに監督が使い続ければ、選手たちは疑問に思うでしょう」
もう1人、原巨人で、不振でも起用され続けている選手がいる。
「ベテランの亀井善行は若手にも慕われているし、中田のような不協和音を呼ぶ存在ではない。しかし、今年は打率2割1分1厘と低迷しており、代打成績も1割8分4厘と不振に喘いでいる。それでも、原監督は5番でスタメン起用したり、勝負所で判を押したように代打で使ったりする。丸佳浩が不振で、ベテランの力に頼りたくなるのでしょうけど、数字が示すように今年の亀井には去年までのような勝負強さが見えません」
25日の阪神戦では9回裏2死満塁で代打・亀井がコールされた。だが、力ないライトフライでゲームセット。巨人は左腕の高橋遥人に完封負けを喫した。
「前日まで、亀井の対左投手の成績は1割4分8厘です。ベンチにはまだ大城卓三も残っていた。大城も左投手を1割9分8厘と打ててないが、5本塁打をマークしている。相手投手からすれば大城のほうが怖かったのではないでしょうか。亀井はよく開幕戦で代打サヨナラ本塁打を放ったと紹介されますが、今年の目立った活躍はそのくらい。勝負強いと言われますが、今年の得点圏打率は1割3分3厘ですよ。イメージよりも現実を直視しないといけない」
“実力至上主義”でチームを活性化し、リーグ2連覇を果たした原辰徳監督。自力優勝が消滅した今、ここからチームを立て直すことができるのか。