国内

山中竹春・横浜市長、「抗体カクテル」販売会社から受け取った470万円

中山竹春氏の手腕に注目が集まる中…

中山竹春氏の手腕に注目が集まる中…(時事通信フォト)

 8月の横浜市長選で「コロナの専門家」を前面に打ち出して勝利した山中竹春氏が、公約に掲げたコロナ対策に邁進している。9月17日の定例記者会見では「10月末までに希望者全員のワクチン接種達成を目指す」と宣言し、医療機関が自宅療養中の患者に「抗体カクテル療法」を行なった場合に一定額の補助金を支給することを補正予算案に盛り込んだ。

 抗体カクテル療法は「カリシビマブ」と「イムデビマブ」という2つの薬剤を混ぜ、点滴で投与するもので、発症から7日以内の投与が効果的とされる。海外では入院や死亡のリスクを7割減らす効果があったとされ、“第6波”に備えるための切り札ともみられている。

 まさに「コロナの専門家」の面目躍如だが、一方で山中氏が抗体カクテル療法の治療薬を販売する中外製薬から金銭を受け取っていたことが明らかになった。調査報道機関「Tansa」がまとめたデータベース『製薬会社と医師』によると、山中氏が横浜市立大学医学研究科に在籍していた2016~18年の3年間で、中外製薬から120万2796円(2016年)、160万3728円(2017年)、191万3019円(2018年)を受け取っていた。合計は約470万円にのぼる。

 同データベース調査責任者で、医療ガバナンス研究所の尾崎章彦医師が語る。

「山中氏がこの3年間ですべての製薬会社から受け取った総額は1416万3791円で、中外製薬からの支払いが最も多かった」

 医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏が語る。

「製薬会社から受け取った金銭を明示することは、利益相反の観点から日本医学界では常識で、まして現在の山中氏は政令指定都市の首長という立場です。税金を使って抗体カクテル療法を推進し、決裁をする立場となった以上、中外製薬からの支払いが何の対価だったのか、その内容とプロセスも含めて有権者に説明する必要があったと考えます」

 山中氏に問い合わせると次のように回答した。

「ご指摘の支払いは、横浜市立大学在職当時、講師謝金など、専門知識を提供したことに対する正当な対価である。活動実態のある稼働に対する対価であり、適切な支払いである。
 
 この支払いは、2016年から2018年の上記大学時代の専門知識を提供したことに対する対価であり、横浜市の補正予算案とは、なんら関係ない。『抗体カクテル療法』は、令和3年7月19日に厚労省が特例承認したことに伴い、8月25日から市内の一部の医療機関で試行的に始めており、今回の補正予算案はこの取組を実施する医療機関をより多く確保し、自宅療養者の重症化を防ぐことを目的としているものである」

関連記事

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト