打率0割台で苦しむ小林誠司(時事通信フォト)

打率0割台で苦しむ小林誠司(時事通信フォト)

戸郷、菅野よりも打率が低い現実

 7月4日に炭谷が移籍する前、小林のスタメンはわずか5試合しかなかった。その後、原監督は小林のスタメンを増やし、21試合に先発出場させている。しかし、7勝11敗3分で勝率3割8分9厘と結果が出ていない(10月7日現在。記録は以下同)。炭谷移籍前も含めれば、9勝14敗3分で勝率3割9分1厘と小林スタメン時のチーム成績は良くない。

「小林のリードや肩を含めたフィールディングの力でチームを救う場面は何回もありました。やはり問題は1割に満たない打率でしょう。小林がスタメンに名を連ねているだけで、相手投手は9人のうち、投手を含めて2人はアウトにできる計算が立つので、ものすごく楽になる。8番・9番のところで打線が分断されるうえに、相手投手が下位打線で力をセーブできれば、クリーンアップにいつも以上に力を注げますから」

 今季の小林は73打数7安打で打率0割9分6厘、1本塁打、3打点。得点圏では15打数1安打で0割6分7厘、0本、2打点とほとんど打てていない。それがチーム全体の打撃にも影響を及ぼしているのか、小林がスタメン出場した後半戦18試合中14試合は3点以下、そのうち完封負けは5試合にも上る。10月7日のヤクルト戦でも2回と4回にチャンスで凡退している。

「2回は2死から大城が二塁打で出塁。次の打者は投手の菅野智之だったが、小林は普通に勝負されて三振。4回は2死から6番の亀井善行が二塁打を放つと、7番の大城が敬遠。ヤクルトは小林と勝負して、力のないセカンドフライに打ち取った。完全に小林で打線が寸断され、巨人は完封負けを喫した。チャンスで打てないだけ問題だけでなく、8番の小林で終わると、次の回は9番の投手からになる。相手からすれば1アウトを計算できるので、打線が繋がっていきません」

 炭谷も今季打撃好調とは言い難かったが、それでも48打数9安打で1割8分8厘、1本塁打、7打点。得点圏では12打数3安打で2割5分、0本、4打点と、小林よりは打っていた(今季の巨人での成績)。投手陣の打率に目をやると、戸郷翔征は39打数5安打で1割2分8厘、菅野智之は29打数3安打で1割0分3厘。小林は打数が多いとはいえ、2人よりも打率が低い。

 クライマックスシリーズに向けて、原監督は誰をスタメン捕手に選ぶのか。そして中田を再び一軍に上げることはあるのか。チームを立て直すために判断すべきことは山ほどある。

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