質感や静粛性が劇的に向上した

 昨年秋、当サイトでモデル3の大容量バッテリー版「ロングレンジデュアルモーター」の試乗レポートをお届けした。今回乗ったのはその上のハイパワー版「パフォーマンス」。

テスラ「モデル3 パフォーマンス」のリアビュー(筆者撮影)

テスラ「モデル3 パフォーマンス」のリアビュー(筆者撮影)

 最近テスラが配備を進めている最高出力250kWの超高速充電器「テスラスーパーチャージャーV3」が実際どんなものかを試してみようという単純な動機で乗ってみたのだが、驚いたのはその充電のスピードでも、実測で0-100km/h加速3.4秒という暴力的な加速力でもない。昨年のテストドライブからたった1年少々しか経っていないのにその時感じたウィークポイントがほとんど全部修正されていたことだった。

 まず、外装の品質が上がった。昨年乗った時はいろいろな部分のチリが合っていないわ、ボンネット、ドア、トランクリッドなどのすき間が昭和時代の乗用車のように大きいわ、といった有様だったのだが、その部分の進化は目覚ましいものがあり、フルモデルチェンジしたわけでもないのに近代的なクルマに生まれ変わったという感があった。

ドアやトランクの隙間のピッチのバラツキなどの問題点はほぼ解消していた(筆者撮影)

ドアやトランクの隙間のピッチのバラツキなどの問題点はほぼ解消していた(筆者撮影)

トランクリッド上のカーボンスポイラー(筆者撮影)

トランクリッド上のカーボンスポイラー(筆者撮影)

 乗り込んだ瞬間“おっ”と思ったのは内装の質感。昨年時点ではボイスコマンドとステアリング上の2つのジョグダイヤル付きボタンでクルマの操作がほとんど何でもできてしまうというインターフェースの先進性や車内の広さ、グラストップが生む車内の明るさなど素晴らしい部分が数多くある半面、質感については下手をすると軽自動車よりボロ臭い部分もあったりした。

ダッシュボードのデザインなどは以前と変わらない素っ気なさだが、安っぽい感触は消え、上質感が出てきた(筆者撮影)

ダッシュボードのデザインなどは以前と変わらない素っ気なさだが、安っぽい感触は消え、上質感が出てきた(筆者撮影)

センターコンソールのデザインは激変。ソフトパッドとなり、物入れのフタはクローザー付きのスライド式に(筆者撮影)

センターコンソールのデザインは激変。ソフトパッドとなり、物入れのフタはクローザー付きのスライド式に(筆者撮影)

 それを見て、テスラは機能性やルーミーさは重要視するが、一般の自動車メーカーが気にする質感には興味がないのかと思ったが、そうではなかったらしい。デザインはそっけないままだが、素材はほぼ全面的にソフトパッドとなり、スマートフォンの非接触充電が付き、USBは急速充電対応のタイプCになった。

タイヤは235/35R20サイズのピレッリ「P-ZERO ELECT」。グリップ、静粛性、衝撃吸収性とも優秀だった(筆者撮影)

タイヤは235/35R20サイズのピレリ「P-ZERO ELECT」。グリップ、静粛性、衝撃吸収性とも優秀だった(筆者撮影)

 質感だけでなく、静粛性や乗り心地も劇的に向上していた。窓ガラスがフロント、サイド、リア、そしてルーフと全面二重化されたことが主因だが、昨年ポルシェ「タイカン」に初採用されたピレリのEV用ハイパフォーマンスタイヤ「P-ZERO ELECT」を履いていたことも奏功しているものと考えられた。

 高速道路のクルーズはもちろん、舗装面の荒れた山道でもロードノイズや窓ガラスを透過する外部騒音が非常に小さいばかりでなく、風切り音など特定の音が気になるということがほぼ皆無だった。

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