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『鬼滅の刃』モブキャラの声優まで主演級 貫く「作品ファースト」

2020年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、全世界累計来場者約4135万人・総興行収入約517億円を記録した (c) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

2020年公開の『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』は、全世界累計来場者約4135万人・総興行収入約517億円を記録した (c) 吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable

 テレビアニメ「『鬼滅の刃』遊郭編」がいよいよ12月5日より放送スタートする。主人公の敵役(鬼の堕姫)を演じる声優・沢城みゆきは、『ルパン三世』峰不二子(3代目)や『ゲゲゲの鬼太郎』鬼太郎(第6作)などで知られ、実力派として名高い。ほかのキャストはまだ発表されていないが、そちらもビッグネームが期待できそうだ。

 数多の人気声優を起用してきた『鬼滅の刃』。大きな特徴と言えるのが、前出の堕姫のような重要キャラはもちろん、端役と呼んでも差し支えないようなキャラクターも豪華キャストが演じている点だ。

 たとえば、アニメ第1期の第7、8話に登場したうどん屋の店主(すぐに思い出せる人は相当な鬼滅マニアだろう)。主人公・竈門炭治郎が浅草で立ち寄ったうどん屋の店主の登場シーンはわずか1分程度だ。それにもかかわらず、店主を演じるのは、あの伝説的アニメ映画『AKIRA』(1988)で主人公の金田を演じた声優・岩田光央なのだ。ネット上では〈岩田光央さんが演じているから、あのうどん屋は重要人物だと思っていた〉という声が少なくない。

 ほとんど一瞬しか出番のない下弦の鬼を演じたのも、楠大典(ドウェイン・ジョンソンの日本語版吹き替え、『テニスの王子様』真田弦一郎など)、保志総一朗(『ひぐらしのなく頃に』前原圭一、『機動戦士ガンダムSEED』キラ・ヤマトなど)、植田佳奈(『Fate/stay night』遠坂凛、『咲-Saki-』宮永咲など)、KENN(『遊☆戯☆王デュエルモンスターズGX』遊城十代、『宇宙兄弟』南波日々人など)といった本来なら主役級の声優たちだ。

 声優業界は、「セリフが少なければ、そのぶんギャラも安くなる」というものではない。声優ライターの須永兼次氏が、業界の仕組みを解説する。

「声優の出演料は、人気の高さやキャリアによって更新される“ランク制”と呼ばれる制度に基づき『このランクの人であれば○万円』のように1本あたりの金額が決まるものであり、セリフの多寡に応じて変動するものではありません。にもかかわらず『鬼滅の刃』は、数話しか登場しないキャラクターやいわゆるモブキャラ(名前のないその他の登場キャラ)に至るまで、妥協のないキャスティングが行なわれています」(須永氏、以下同)

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