触診しないのは問題外
“原因不明が8割”とも言われる「腰」はどうか。
「腰の場合も神経症状などがない限り、基本的には体を動かして改善するのが基本です。専門医でも、一部の症状だけをみて『脊柱管狭窄症』と診断し手術した結果、かえって悪化させるケースもある。名医ほど必要な場合を除いて手術はせず、体への負担が少ない治療でアプローチします」
一方、「膝」の場合は患者の症状や体力に応じた治療法を提示してくれるかどうかが鍵になる。
「同じ変形性膝関節症でも、再生医療の多血小板血漿療法(PRP療法)、電気刺激療法のパルス電気刺激法などの治療法があります。それらの選択肢をどれだけ広く検討できるかが重要で、膝の専門家の間では、最適な方法をどう選択すべきかの議論が目下のホットトピックです」
さらに北原医師は、「どの部位でも、画像診断に頼って触診を蔑ろにする医師は問題外」と言う。
「『足がパンパンに腫れて重たくて痛い』と整形外科医に訴えた患者さんが、実は重度の心不全だったことがありました。足の痛みでも見落とせば命に関わることがある。かかりつけ医ならば、患者さんの症状の変化に敏感であるべきです」
自らの症状や悩みを整理して専門医を探そう。
※週刊ポスト2021年12月24日号