『SAYAKA』でデビューも活動休止
こうしたなか、2005年には所属事務所が〈高校卒業をひと区切りとし、この機会にゆっくりと時間をとっていろいろなことを勉強し、将来のことを考えたい〉と発表。しばらく芸能活動を休止することに。
「この間、彼女は『SAYAKA』ではないさまざまな名義で、やりたいことにチャレンジし、ご自身と向き合っていたのでしょう。沙也加さん、実は活動休止中にファッション誌『KERA』の読者モデルを『Lily』という芸名でつとめていました。もともとロリータファッションに興味をもっていたことがきっかけなんだとか。さらにこの間『上原純』というペンネームで聖子さんのシングル曲の作詞・作曲を行っています。多感なお年頃です。こうした“自分探し”ともとれる自由な行動は、母親離れする小さな努力であったように思えます」(前出・芸能関係者)
そんな彼女が再び芸能界に戻ってきたのは翌2006年のこと。ここで芸名は現在の「神田沙也加」に。芸能活動再開に際して、当時の『婦人公論』のインタビューに「本名で仕事をするのは、自分自身と向き合う作業。やっとその準備ができた」とも語っている。
声優学校に通って自らつかんだ『アナと雪の女王』
その後、順調に芸能活動を続けた沙也加さんは2011年の年末、『第62回NHK紅白歌合戦』に初出場、聖子と共演して『上を向いて歩こう』のデュエットを披露した。そして、ここから沙也加さんの芸能生活は大きく動き出す。
「女優業と並行して、声優の専門学校に通っていた沙也加さんは、翌年2012年にはテレビアニメ『貧乏神が!』(テレビ東京ほか)で声優デビューを果たしています。その後も舞台やミュージカルに挑戦してきた彼女は2014年、ついに映画『アナと雪の女王』でヒロインである王女・アナ役の日本語吹替声優の座をつかみます。そして、芸能活動15年目にして大ブレークを果たしたのです」(前出・芸能関係者)
『アナ雪』の活躍で紅白の場に舞い戻った沙也加さん。ミュージカル女優としても活躍し始めていたわが娘の姿に、その場で再び共演した聖子は涙するほど喜んでいたという。
「その涙は複雑なものだったのかもしれません。沙也加さんは『神田沙也加』としてデビューしてから、“私はアイドルではなく、女優。ママとは違う”という思いを抱きつつも、なかなか“聖子の七光り”という世間の評価を覆すことができなかった。そんな彼女にとって『アナと雪の女王』での活躍で、“母がいなくても私はやっていけるんだ”という自信に繋がるものになりました。しかし、この成功が母娘のあいだに溝を生むことになるのです」(前出・芸能関係者)