重病のサインは、「尿」や「便」に現われることもある。国際医療福祉大学病院内科学・予防医学センター教授の一石英一郎医師が語る。
「他に症状がないのに黒い便が出ると受診した50代男性がいました。私は胃潰瘍で血液と胃酸が混じって便が黒くなったのではと考え、胃内視鏡検査をしたところ、案の定、胃壁がただれ、潰瘍が見つかりました。
患者さんによく聞いてみると、腰痛の治療で非ステロイド性抗炎症薬を服用していることが分かり、その副作用が疑われたので、薬の変更などで治療を行ないました」
また、くしゃみをした際に尿が漏れるのも、自ら「加齢のせい」と判断するのは早計だ。
「糖尿病や腰の脊柱管狭窄症により、脳と膀胱を繋ぐ脊髄や末梢神経などが障害を受けると、くしゃみなどで腹圧が高くなった際に尿が漏れることがあります。尿漏れを侮ってはいけません」(同前)
※週刊ポスト2022年1月14・21日号