芸能

『笑点』林家三平→桂宮治“電撃交代”の舞台裏で何があった?

三平は精神的に疲れちゃった?(時事)

三平は精神的に疲れちゃった?(時事)

 日曜夕方の国民的番組といえば、『サザエさん』と『笑点』だろう。その『笑点』で、昨年末に最年少メンバーの林家三平(51)が突然「卒業」して視聴者を驚かせたが、1月23日の放送では、それに代わる新メンバー、桂宮治(45)がお披露目される。メンバーはいったん決まるとほとんど入れ替わりがないことも同番組の特徴だけに、三平がわずか5年で交代したことについては、芸能マスコミの間でも様々な憶測が流れ、なかには「名人とうたわれた先代・三平の七光りだけで実力がなかった」といった厳しい声も出ていた。

 しかし、プロの眼から見ると“電撃降板”はそこまでの驚きではなかったようだ。落語に造詣が深いコラムニストの堀井憲一郎氏はこう読み解く。

「笑点は、個々の落語家が特別おもしろい必要がある番組ではありません。むしろベテランのメンバーが一生懸命に冗談を言い合って、いつ見てもおなじみの掛け合いを繰り返しているところが長寿の秘訣です。そのかわり出演者には口数や瞬発力が求められますが、そういうタレント性に長けた落語家というのは実はそう多くはないのです。

 三平さんの降板も、落語家としておもしろい、おもしろくないという点は全く関係なく、おそらくメンタル面で大変だったのだと思います。笑点でのキャラクターは、ご本人の日常や高座の姿とは必ずしも一致しない。番組でのキャラクターを確立して演じ続けなければならないから、そうした部分がしんどくなっていたんじゃないですか。三平さんをバッシングした人たちは、彼が叩きやすいから叩いていただけですよ」

 落語評論家の広瀬和生氏も三平に同情的だ。

5年前にはメンバーに囲まれて満面の笑みだった三平だが……(時事)

5年前にはメンバーに囲まれて満面の笑みだった三平だが……(時事)

「あの番組の視聴者は決して若くないですから、なじみのない新メンバーが適応していくのは大変です。三平さんは最後まで適応できませんでしたね。先輩メンバーからあまりイジられなかったし、それならいっそ“つまらない男”というキャラにしちゃえばよかったのかもしれませんが、それもできませんでした」

 良くも悪くも「変わらない」ことが特徴の笑点で、三平に代わって加入した宮治は大丈夫なのだろうか。もし二人続けて若手メンバーが早期にリタイアするようなことがあれば、番組の明るいイメージにも傷がつきかねない。そこについては堀井氏は楽観的だ。

「宮治さんなら大丈夫だと思います。人に好かれるタイプですし、場持ちがいい人です。精神的にも図太いところがあって、もし孤立するようなことがあっても心配ないでしょう。

 もちろん宮治さんにとっても、どういうキャラクターで、どういうポジションを取るかが成功のカギになります。高齢の視聴者にとってもわかりやすいことが大事で、女好きとか、ギャンブル好きとか、自分勝手とか、なんでもいいから彼の明るさや賑やかさにマッチするキャラクターがついてくると安泰です。最初からコレと決めるより、出演して場数をこなしていくうちに、そういうキャラクターが定まっていくのが理想ですね」

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン