国内

菅直人氏ら立憲民主ベテラン議員の「炎上グセ」 SNS重視の党方針の弊害か

立憲民主党のベテラン議員がネットで炎上するのはなぜか(菅直人・元首相。AFP=時事)

立憲民主党のベテラン議員がネットで炎上するのはなぜか(菅直人・元首相。AFP=時事)

 1月21日、立憲民主党の最高顧問である菅直人・元首相がツイッターで日本維新の会と橋下徹氏について触れ、「ヒットラーを思い起こす」と投稿したことで、ネット上を中心に大きな騒動に発展した。立憲民主党では今年に入って、蓮舫氏が箱根駅伝で、現地で母校を応援するツイートをしたことが「自粛要請破りではないか」と批判を浴びたばかり。なぜ、立憲民主党のベテラン議員たちはネットで波紋を呼ぶことが多いのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が分析した。

 * * *
 今回の騒動のきっかけは菅直人氏の以下のツイートである。

〈橋下氏をはじめ弁舌は極めて歯切れが良く、直接話を聞くと非常に魅力的。しかし「維新」という政党が新自由主義的政党なのか、それとも福祉国家的政党なのか、基本的政治スタンスは曖昧。主張は別として弁舌の巧みさでは第一次大戦後の混乱するドイツで政権を取った当時のヒットラーを思い起こす〉

 これには日本維新の会・松井一郎大阪市長もツイッターで「誹謗中傷を超えて侮辱ですよね」と抗議した。ただ、名指しされた橋下氏は意外と冷静で、こうツイートしている。

〈まあ、いずれにせよ菅さんの今回のコメントは僕の弁舌についてのお褒めの言葉と理解しているが、安易にヒトラーを持ち出すことが不適切だとすら思わないのかね。政党間のバトルは私人として関知しないので好きなようにやってくれたらいいが、俺を巻き込まんでくれ。〉

 時に日本の政治家の口からたとえ話や比喩としてヒトラー(ヒットラー)の名前が使われ、波紋を呼ぶことがある。2013年に麻生太郎氏が「ヒトラーは、選挙で選ばれたんだから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ」「(ワイマール憲法をナチス憲法に変えた)あの手口学んだらどうかね」と発言して、野党から批判された。

 社民党の福島みずほ氏は〈「ナチス政権の手口」についての麻生発言に関する質問主意書〉を提出し、当時民主党の辻元清美氏が〈麻生副首相のいわゆる「ナチス発言」「一部撤回発言」に関する質問主意書〉を提出するなど、ヒトラーおよびナチス関連の発言に対しては社民党も民主党(現・立憲民主党)も問題視していたことが分かるだろう。

 そうした中で、今回の菅氏のツイートの直後から「#菅直人元首相を支持します」のハッシュタグがツイッターに登場し、一時期トレンド入りした。これは立憲民主党支持者を中心とするアンチ維新の野党支持者が立ち上げたものと推測されるが、「菅氏の“ヒットラー発言”は侮辱でもなんでもない」という主張なのだろう。

 ネット上では、かつて安倍晋三・元首相が、顔写真にちょび髭をつけられて散々ヒトラー扱いされることがあったように、自分たちが独裁者認定した政治家のことをヒトラーにたとえるのはそれほど珍しくない行為のようだ。

関連記事

トピックス

国民民主党から参院選比例代表に立候補することに関して記者会見する山尾志桜里元衆院議員。自身の疑惑などについても釈明した(時事通信フォト)
《国民民主党の支持率急落》山尾志桜里氏の公認取り消し騒動で露呈した玉木雄一郎代表の「キョロ充」ぷり 公認候補には「汚物まみれの4人衆」との酷評も出る
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《永野芽郁に新展開》二人三脚の“イケメンマネージャー”が不倫疑惑騒動のなかで退所していた…ショックの永野は「海外でリフレッシュ」も“犯人探し”に着手
NEWSポストセブン
“親友”との断絶が報じられた浅田真央(2019年)
《村上佳菜子と“断絶”報道》「親友といえど“損切り”した」と関係者…浅田真央がアイスショー『BEYOND』にかけた“熱い思い”と“過酷な舞台裏”
NEWSポストセブン
「松井監督」が意外なほど早く実現する可能性が浮上
【長嶋茂雄さんとの約束が果たされる日】「巨人・松井秀喜監督」早期実現の可能性 渡邉恒雄氏逝去、背番号55が空席…整いつつある状況
週刊ポスト
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン