「感染予防を強化すべき」と語る岡田晴恵・白鴎大教授

岡田晴恵・白鴎大教授

 新型コロナの感染対策に集中する一方、例年やっていたインフルエンザへの対応は手薄になっている人は多いだろう。しかし、今はインフルエンザのリスクも無視できないというのだ。岡田氏が続ける。

「インフルエンザが重症化しやすいのは高齢者ですが、乳幼児や子供、妊婦、また呼吸器系の疾患がある人も要注意です。特に問題なのが、2年ほどインフルエンザが流行していないということは、多くの子どもはインフルエンザに初感染することになる。

 そして全国民にとってもインフルエンザに曝露して免疫が上がることが2年間なかったためにトレーニングを受けていないような状態です。そのため普通の季節性のインフルエンザが来たとしても、健康被害や感染拡大が大きくなりやすいと想定されます」

(第3回につづく)

【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院修了後、順天堂大学で医学博士を取得。国立感染症研究所、ドイツ・マールブルク大学医学部ウイルス学研究所、経団連21世紀政策研究所などを経て、白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。テレビやラジオへの出演、専門書から児童書まで幅広い執筆などを通して感染症対策に関する情報を発信している。

※週刊ポスト2022年2月11日号

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