5月21日と遅生まれなんですが、その世代の新馬戦の最初の週、2歳の6月2日にデビュー、スタートで出遅れたのに楽勝でした。栗田博憲先生も「これは走る」というのでいったん休養して新潟2歳ステークスを使って2着。その後は先生が考えて距離を延ばしていくために、1800mのレースを使いました。
敏感な馬で、もともとは気のいいタイプだったから、いかに道中脚を溜められるかを考えました。先生をはじめ、厩舎スタッフと牧場のスタッフとみんなでいつも話し合いながらつくって、皐月賞を勝つことができた。この2頭は調教から乗ることで特徴を掴めました。
やはり見ただけでは分からない。調教師としても管理することが決まる前に乗せてくれれば、絶対走る馬を選べるんですけどね(笑)。
【プロフィール】
蛯名正義(えびな・まさよし)/1987年の騎手デビューから34年間でJRA重賞はGI26勝を含む129勝、通算2541勝。エルコンドルパサーとナカヤマフェスタでフランス凱旋門賞2着など海外でも活躍、2010年にはアパパネで牝馬三冠も達成した。今年2月で騎手を引退、来年3月に52歳の新人調教師として再スタートする予定。
※週刊ポスト2022年2月11日号