『夜ヒット』での西城さんの出演シーンの代表といえば、1979年の大ヒット曲『YOUNG MAN(Y.M.C.A.)』で、スクールメイツやチアガールらと一緒に楽しそうに歌って踊るシーンだ。1979年4月9日放送回では、クレーンに乗って、空を飛ぶ如く、上下左右、縦横無尽に動き回り、熱く激しいパフォーマンスを披露。つられたほかの出演者たちも一緒になって、Y.M.C.A.の振りを踊っている。
「西城秀樹は、少女漫画から飛び出てきたかのように足が長く、抜群のスタイルなのに、どこか気さくさを感じさせる。デビュー当時は、情熱をこめてストレートに歌い上げるシンプルな演出や、大人数で歌い踊る演出が似合った」と分析するのは、コラムニストの泉麻人さんだ。『薔薇の鎖』のスタンドマイクを使ったアクションパフォーマンスや、『激しい恋』『傷だらけのローラ』といった絶叫型歌唱で魅せるには、特別なセットは必要なかったのだろう。
【プロフィール】
プロデューサー・片方秀幸さん/西城さんの個人事務所「アースコーポレーション」発足当時からマネジャーを務める。3月25日に西城秀樹 デビュー50周年記念7枚組DVD BOX『THE 50 HIDEKI SAIJO song of memories』を発売。
コラムニスト・泉麻人さん/『週刊TVガイド』の編集者を経てフリーに。東京や昭和、サブカルチャー、街歩き、バス旅などをテーマにしたエッセイを発表。新刊は銀座の老舗と街並みの魅力について書いたエッセイ『銀ぶら百年』(文藝春秋)。
取材・文/山下和恵 イラスト/諏岸 撮影/浅野剛 写真/女性セブン写真部
※女性セブン2022年2月17・24日号