『みんなで筋肉体操』(NHK総合)から羽ばたいていった芸能人は多い。俳優・武田真治(49)は同番組をきっかけに“筋肉俳優”として再ブレイク。庭師の村雨辰剛(33)は俳優業にも進出し、NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』で朝ドラデビューも果たした。
ゴールデンボンバーの樽美酒研二(41)、歌手の西川貴教(51)たち定番は抑えつつ、アイドルで総合格闘家の川村虹花(26、昨年にアイドルと総合格闘技を引退)、声優のファイルーズあい(28)といった通向けのマッチョ芸能人も起用し、さらに一般の学生やパラアスリートと、歴代出演者は多岐にわたる。
もはや“筋肉タレントの登竜門”と呼んでも過言ではない『みんなで筋肉体操』。どのようにキャスティングを行っているのか、石本達也チーフ・プロデューサーと平元慎一郎ディレクターに聞いた。
“筋肉のダイバーシティ”を目指す
——キャスティングで重視しているポイントは何ですか?
平元D:キャスティングは、『みんなで筋肉体操』の要です。というのも、半年に一度くらいのペースで放送している番組なので、シーズンごとの間隔が結構開いてしまうんです。そのため新シーズンを放送するときは、まず視聴者の方の心を掴んで振り向いていただかないといけない。キャスティングにおいては、もともとの知名度もそうですが、「すごい筋肉だけど、本業は歯医者さんなんだ」とか「声優さんなんだ」とか、SNSで話題になるような引っ掛かりを作ることも意識しています。
石本P:ひと目見てすごいと思える体つき、もしくは肩書の意外性。その上で、筋トレへの愛情がどれだけ大きいかなど、さまざまな要素を重視しています。
——キャスティングは、番組からのオファーですか? それともオーディション?
平元D:基本的には番組からのオファーです。ただ、「ネットで探しても見つからない素晴らしい筋肉の持ち主が一般の方々にもいるはずだ」と考えて、第3シーズンだけはオーディションで選んだ一般公募枠の方々に出演していただきました。
——「この人の筋肉がすごい」というリサーチは、どのように行っているのでしょうか?
石本P:筋肉関連のトピックはこまめにチェックし、プロも一般の方も分け隔てなく、とにかく筋肉で話題になっている方々をチーム内で共有するようにしています。
平元D:「肩」や「体幹」など毎回テーマが異なるので、その回にぴったりの筋肉を持っている方という切り口でもアンテナを張っています。