芸能

「おじさん、誰?」の一言で視聴者を驚かせた子役・毎田暖乃の名演技

妻、小学生

名俳優たちに引けを取らない演技で話題の毎田暖乃(写真右から2番目、公式HPより)

 堤真一(57才)が主演を務めるドラマ『妻、小学生になる。』(TBS系)。亡くなった妻が小学生の姿になって戻ってくるというファンタジックな家族の物語だ。そんな本作で、回を重ねるごとに注目を集めているのが、小学生の姿になった妻を演じる子役の毎田暖乃(10才)だ。主演の堤らに引けを取らない好演を見せている。ベテラン俳優も顔負けの毎田の演技について、映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんが解説する。

 * * *
『妻、小学生になる。』は、漫画家・村田椰融の同名漫画を実写化したもの。本作と同じ枠で2019年に放送された『凪のお暇』(TBS系)や、映画『サヨナラまでの30分』、劇場アニメ『漁港の肉子ちゃん』など、数々の作品を手掛けてきた大島里美(44才)が脚本を担当。今作でも個々のキャラクターの緻密な人物造形や、奇想天外な物語を無理なく展開させる手腕に評価が集まっている。

 あらすじはこうだ。10年前に交通事故で最愛の妻・貴恵を亡くした新島圭介(堤真一)は、10年もの間失意の日々を送り、娘の麻衣もまた社会に馴染めずにいた。そんなある日、10才の小学生・白石万理華(毎田暖乃)が2人の前に現れる。彼女は小学生の姿だが、亡くなった貴恵の生まれ変わりらしい。最初は取り合わない圭介と麻衣だったが、万理華の言動の数々から、彼女が本当に貴恵の転生した姿なのだと理解する。こうして還ってきた“貴恵”を中心に、止まっていた時間が動き出していく。

 こんな突飛な物語を立ち上げる座組は、若手からベテランまで、さすがは盤石の布陣である。主演の堤は愛する妻の帰還を少年のように喜ぶ圭介を演じ、ハートウォーミングなドラマの展開を牽引。若くして“演技派”とされている蒔田彩珠(19才)は、娘である麻衣が少女から大人へと成長していくさまを丁寧に演じている。そして、本来の姿の貴恵を石田ゆり子(52才)が演じており、貴恵という人物が周囲にとってどんな存在だったのかを視聴者に印象付けている。さらに、貴恵の弟役の神木隆之介(28才)、万理華の母親役の吉田羊(48才)をはじめとした優れたプレイヤーがこぞって出演。これだけの者たちと堂々と渡り合っているのが、まだ10才の毎田暖乃なのだ。

 毎田が演じる白石万理華の中にあるのは、貴恵という別の人格。万理華はある日突然貴恵の記憶を思い出し、それを境に万理華として生きてきた記憶をほとんど失ってしまったが、回想シーンでは本来の万理華も演じている。つまり本作で毎田は、一人二役を演じてのけているのである。貴恵の大人びた暖かい演技を見事に体現していることもさることながら、同時に10才の等身大の少女の役も完璧に表現した。

 特に、第7話のクライマックスで、万理華の中から突然貴恵の存在が消えた時の演技の衝撃は凄まじかった。10才の万理華に戻り、圭介に発した「おじさん、誰?」というセリフや表情には完全に貴恵の面影はなく、見た目通りのただの小学生だったのだ。気の強い貴恵を演じている時は太く鋭いセリフの発し方で、小学生の万理華の時は舌っ足らずな発話法で、視聴者を驚かせた。

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