2020年8月のイソジンに関する会見(時事通信フォト)

2020年8月のイソジンに関する会見(時事通信フォト)

 大阪万博(2025年)を控える吉村氏は3月末からアラブ首長国連邦を訪問し、松井一郎・大阪市長とともにドバイ万博を視察する予定だ。それだけに、府議会には「ドバイ行きのために解除を急いだんじゃないか」という見方まである。

 その大阪万博会場の跡地(夢洲)に建設が計画されているIRをめぐっても、知事の“ウソ”が問題化している。

 吉村氏は当初、「公金は投入しない」と説明していたが、建設予定地の土壌汚染対策などに大阪市が790億円を負担することが発覚。3月の市議会で関係者の参考人招致が行なわれた。

 同問題を追及している自民党大阪府連総務会長の川嶋広稔・大阪市議はこう疑問を呈する。

「大阪市が売却した区域内の土地に対し、土壌汚染対策の費用を負担したことは過去にありません。そもそも埋め立て地の夢洲は産廃処分場で、土壌汚染はどうしてもあるもの。事業者が改良するのが前提です。

 なのに、なぜIR事業の土地だけ大阪市が負担するのか。吉村知事はIRの運営事業者に手を上げたオリックス、米国MGMとずっと対話をしていて、情報公開請求で得た交渉記録を見ると、事業者側がこの条件では厳しいと土地改良の要望をしていた。知事と市長がその要望を呑んだとしか見えない結果になった」

 大阪府は「IRのためというより、周辺のインフラ整備などその土地がちゃんと使えるようにするための費用です」(IR推進局推進課)と答えたが、最初からその点を含めて府民に説明するべきではなかったか。

※週刊ポスト2022年4月8・15日号

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