3年目に訪れた試練
いまでこそ「慣れた」と笑う彼女だが、交際中は世代間ギャップは当然ながら、「往年のスター」の型破りな私生活に驚きの連続だったという。
「2009年の夏、初めてのデート場所に指定されたのは、朝5時のファミリーレストラン。しかも、ちーたん(加藤茶の呼び名)の親友の小野ヤスシさん(享年72)、左とん平さん(享年80)も同席の上でした。
当時は、3人で朝までお酒を飲んだ後、シメをファミレスで食べるのが定番だったようです。席につくなり、小野さんと左さんから『自己紹介をお願いします』『いまの仕事は?』などと面接のように質問をされました(笑い)。親友2人は、ちーたんが『女性にだまされているのでは』と心配していたようです」
無事に疑いも晴れ、交際をスタートさせたふたり。しかし、普通のカップルのように、人前で手をつないだことはないという。
「芸能人だからというよりも、ちーたんが昔気質で恥ずかしがり屋だからです。人前で手をつないだことはほとんどありません。入院中のベッドで手をそっと握ったときに、握り返してくれたときは本当にうれしかったですね」
結婚後、ほどなくして年の差ゆえの苦労が襲った。結婚3年目にして加藤がパーキンソン症候群を発症したのだ。手足が硬直し運動機能が衰え、食欲がなくなり、体重は57kgから38kgまで激減した。さらに、翌年には大量吐血で緊急入院し、死の淵を何日もさまよった。綾菜さんは当時、26才。同世代の友人たちが、恋愛や飲み会を楽しむなか、病院に泊まり込みで夫を看病する日々を送った。
日常生活でも苦労は絶えなかった。大スターである加藤は、妻と暮らし始めてもマイルールを頑なに崩さなかったのだ。綾菜さんがまず驚いたのは生活リズムだという。