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鈴木史朗アナが考える人生120年時代「安楽死を合法にしてもらいたい」

今年84歳を迎えた元TBSアナウンサーの鈴木史朗氏は人生の最期をどう考えるか(時事通信フォト)

今年84歳を迎えた元TBSアナウンサーの鈴木史朗氏は人生の最期をどう考えるか(時事通信フォト)

「人生100年時代」どころか「人生120年時代」も現実味を帯びてきた日本社会。報道番組はもちろん『さんまのSUPERからくりTV』(TBS系)の名物コーナー「ご長寿早押しクイズ」などバラエティ番組でも人気を博した元TBSアナウンサーの鈴木史朗氏は、御年84とは思えぬ若々しさをキープしているが、本人は「120歳まで生きるくらいなら安楽死を選びたい」と語る。

 * * *
 早いもので、今年の2月で84歳になりました。日本人の平均寿命は男性が81歳、女性が87歳だから、そろそろ“逝ける”かなと思っていたのに、人生120年時代? 冗談じゃないですよ(苦笑)。

 いくら医療が進化するといっても、年老いて脳や身体の機能が衰えたら自立した生活が難しくなり、妻や娘を頼らざるを得なくなります。運よく健康で長生きできたとしても、自宅の修繕や老人ホームの入居には結構なお金がかかります。そう考えると120歳までの残りの人生なんて、まるで“生き地獄”のようなものです。

 以前、NHKのドキュメンタリーで、神経系の難病を患った日本人女性が、安楽死が合法化されているスイスに渡るという番組を見たんです。彼女は耐え難い苦痛と戦い抜いた末に、「自分らしさを保ったまま死にたい」と望んで安楽死を選びました。

 もちろん安楽死は自殺行為であり、誰かを“手伝う”と自殺幇助になりかねません。そもそも日本では法的に認められておらず、この国の風潮からすれば、本人が自由意思で安楽死を選ぶのではなく、「そろそろお父さんも安楽死してもらわないと」という圧力に転じてしまう恐れもあります。

 それでも私はNHKの番組を見て、安楽死は「一つの救いではないか」と思いました。痛みや苦しみを抱えてまで生きたくない、「いっそ殺してくれ」という壮絶な状況に陥った際、安楽死という選択ができるのであれば、その人の人生の最後の望みが叶うと思ったのです。

「寝入るように死にたい」

 振り返れば、私は父の仕事の関係で幼少時代を中国で過ごし、3歳の時に天津の汚い川に落ちて赤痢で死にかけ、中学時代に走り高跳びをした際に落下して腹部を強打して「腸捻転」を起こしました。その時は終戦直後で麻酔がなく、そのまま開腹手術をして、ものすごく痛かったけど、大人になってからは今に至るまで、大ケガや大病をしていません。これから死ぬまで、できれば辛い闘病が必要になる疾患とは無縁のまま人生を終えたいですよ。

 24歳でTBSに入社してから、72歳で『水戸黄門』のナレーションを終えるまで、ありがたいことに第一線で働き続けてきました。今はようやく黄門さまのような隠居生活に入って、好きなテレビゲームをしたり孫と遊んだりして、穏やかに過ごしています。同じく80代の妻も大病を患うことはなく今のところ私と同じように元気で過ごし、趣味を楽しむ毎日です。

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