(時事通信フォト)

戦争はどう終結するのか(時事通信フォト)

作りが悪くても儲かる

 ウクライナ応援・支援と銘打ったグッズはいくらでもあるという。

「多いのは国旗だ。手旗ぐらいのサイズの物からワッペンやバッジまで、大きさも値段もさまざま。売りやすいのはTシャツやトレーナーだろう。ロシアのウクライナ侵攻後、すぐにネット販売されていたTシャツは、200~300枚があっという間に完売していた。あれは儲かっただろう」

 白いプレーンな形に黄色と青のウクライナ国旗が胸の部分にプリントされたTシャツが、3000円ほどで売られていたらしい。

 ネットで売られているグッズは、暴力団と関係がないものがほとんどだ。実際に販売価格のいくらかを、ウクライナ大使館などに寄付している業者もある。だが中には、これを儲けの機会と捉え、グッズ販売に乗り出す輩や暴力団関係者もいるという。A氏が説明する。

「例えばTシャツの場合、韓国や中国から白のシンプルなものを原価数百円で仕入れる。どこで作られていても構わない。要は安く仕入れることが肝心。そのTシャツに簡単にデザインしたウクライナの国旗をプリントして売るだけ。Tシャツなら送料も安いしね」

 品質やデザインにこだわる必要はない。あくまでウクライナを応援するという目的のグッズのため、縫製が多少悪かったとしても、わざわざクレームを言ってくるような客はいないという。販売価格は原価の数倍だろう。儲かるのは当然だ。

 応援グッズをネットで探すと、タオルや帽子、バッジにマスク、コップに箸まで販売され、値段も数百円から数千円までまちまちだ。どの商品にも、応援、支援、サポート、寄付、義援金にチャリティと、ウクライナ関連をアピールする大きな文字が記されている。

「店側にその気がなくても、商品や販売ページに『ウクライナ応援』と書けば商品が売れる。買った客は自分がサポートした気になり、商品を身に付けていれば応援しているというメッセージにもなる。実際は、寄付すると書いてあっても、本当に寄付するかどうかは店次第で、買った客は確認のしようがない」

 商品によっては「ウクライナ応援」とだけ書かれ、それ以外は何の説明もないものも多い。中には、“支援するために祈る”と説明されている商品や、“ウクライナ応援キャンペーン”と銘打って値引きをアピールしながら、その値引き分は購入者が自分でウクライナ支援に使うよう記したものもあり、「これは在庫一掃のための便乗商法では?」と思うような業者もある。

 A氏がグッズを販売するとしたら、商品ページにはどう書くのか聞いてみると、彼は真面目な顔でこう言った。

「もちろん『ウクライナ応援』としっかりアピールするよ。ただ、『応援』とは書くが『支援』とは書かない。支援と書くと実際に何かしないといけなくなるからね。『寄付』も面倒だからダメ。寄付と書くと、寄付しなければ客を騙したことになるし、『どこに、いつまでに』と書かなければ問題になる可能性もある。ヤクザは警察から何をケチつけられるか分からない。ただ、俺は心からウクライナを応援しているよ、応援は心だから」

 最後にA氏は、「人も俺も応援、支援という言葉に弱いんでね」と笑った。

関連記事

トピックス

千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン
自宅前には花が手向けられていた(本人のインスタグラムより)
「『子どもは旦那さんに任せましょう』と警察から言われたと…」車椅子インフルエンサー・鈴木沙月容疑者の知人が明かした「犯行前日のSOS」とは《親権めぐり0歳児刺殺》
NEWSポストセブン
10月31日、イベントに参加していた小栗旬
深夜の港区に“とんでもないヒゲの山田孝之”が…イベント打ち上げで小栗旬、三浦翔平らに囲まれた意外な「最年少女性」の存在《「赤西軍団」の一部が集結》
NEWSポストセブン
スシローで起きたある配信者の迷惑行為が問題視されている(HP/読者提供)
《全身タトゥー男がガリ直食い》迷惑配信でスシローに警察が出動 運営元は「警察にご相談したことも事実です」
NEWSポストセブン
「武蔵陵墓地」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月10日、JMPA)
《初の外国公式訪問を報告》愛子さまの参拝スタイルは美智子さまから“受け継がれた”エレガントなケープデザイン スタンドカラーでシャープな印象に
NEWSポストセブン
モデルで女優のKoki,
《9頭身のラインがクッキリ》Koki,が撮影打ち上げの夜にタイトジーンズで“名残惜しげなハグ”…2027年公開の映画ではラウールと共演
NEWSポストセブン
2025年九州場所
《デヴィ夫人はマス席だったが…》九州場所の向正面に「溜席の着物美人」が姿を見せる 四股名入りの「ジェラートピケ浴衣地ワンピース女性」も登場 チケット不足のなか15日間の観戦をどう続けるかが注目
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
「『あまり外に出られない。ごめんね』と…」”普通の主婦”だった安福久美子容疑者の「26年間の隠伏での変化」、知人は「普段どおりの生活が“透明人間”になる手段だったのか…」《名古屋主婦殺人》
NEWSポストセブン
「第44回全国豊かな海づくり大会」に出席された(2025年11月9日、撮影/JMPA)
《海づくり大会ご出席》皇后雅子さま、毎年恒例の“海”コーデ 今年はエメラルドブルーのセットアップをお召しに 白が爽やかさを演出し、装飾のブレードでメリハリをつける
NEWSポストセブン
三田寛子と能條愛未は同じアイドル出身(右は時事通信)
《中村橋之助が婚約発表》三田寛子が元乃木坂46・能條愛未に伝えた「安心しなさい」の意味…夫・芝翫の不倫報道でも揺るがなかった“家族としての思い”
NEWSポストセブン