「ちあきさんはまもなく後期高齢者となる年齢ですが、いたって健康で、もう何年も病院に行ってないそうです。歩くときもスタスタと早歩きで元気そのもの。意外にも格闘技が大好きで、ボクシングや総合格闘技をテレビで見て熱狂するほど、気持ちもお若いようです」(芸能関係者)
デビュー50周年を迎えた2019年にコンセプトアルバム『微吟』、2021年にはCD-BOX『The Anthology NAOMI CHIAKI ちあきなおみ大全集』が発売されるなど、いまも定期的にベスト盤がリリースされ、テレビでは特別番組が放送される。「生ける伝説」となった彼女だけに、休業中も生活には困らないようだ。
「彼女は現役時代に一生分の貯蓄をしたはずですし、いまもアルバムが売れているので印税収入だけで充分生活できるでしょう。都内に不動産を所有し、アパート経営もしているそうです」(古賀さん)
現在、ちあきと直接交流する数少ない人物が、元テイチク社長で『喝采』のプロデューサーを務めた東元晃さんだ。歌手としての復活はあるのか。東元さんが語る。
「彼女は自分の歌に対してものすごく厳しく、潔癖です。人の歌のことは何も言わないけど、自分の歌は100%完璧じゃないと歌う意味がないと思っている。実際にレコーディングのときも、自分が納得できないとどれだけ時間がかかってもやり直していました。
彼女のカラオケは聴いたことがないけれど、いまでも歌うことは好きでしょうし、日本の古い歌やシャンソンからファド(ポルトガルの大衆歌謡)までさまざまなジャンルを聴いていて、歌に対する関心はまったく消えていません。ただ歌は誰かに説得されて歌うものではなく、自分の意思で決めるものです。
いまでも若い子がちあきなおみの歌に興味を持ってくれるし、私は誰よりも彼女にまた歌ってほしいと思っているけど、本人にその気持ちはもうないでしょうね」
ヴェールに包まれた彼女の近況についても尋ねてみた。
「いまでもいろいろ話しますが、彼女は決して世間をシャットアウトしているわけではありません。いまも感受性豊かで、世間の動向についてもよく知っていますよ」(東元さん)
再来年には節目となる郷さんの三十三回忌があり、ちあき自身も喜寿を迎える。そのとき、歌姫の長い沈黙は破られるだろうか。
※女性セブン2022年5月12・19日号