国内

電動キックボードの公道運転 無免許、無保険で事故なら人生が終わりかねない

改正道路交通法によって近い将来、無免許でも電動キックボードの運転ができるようになるが、2022年4月時点の日本では免許必須だ(イメージ、picturedesk.com/時事通信フォト)

改正道路交通法によって近い将来、無免許でも電動キックボードの運転ができるようになるが、2022年4月時点の日本では免許必須だ(イメージ、picturedesk.com/時事通信フォト)

 大手コンビニエンスストアのファミリーマートが電動キックボードのシェアリングサービス「Luup(ループ)」に出資し、最大600店超に貸出拠点を設置すると報じられた。条件付きではあるが、無免許でも利用できるという先の道路交通法改正とあわせて、次世代モビリティの普及がさらにすすみそうだ。とはいえ、改正法の施行は数年先のことなので、いまは免許が必要な乗り物だ。俳人で著作家の日野百草氏が、改正法可決のニュースを知って、自分だけ法律施行後にタイムワープしたつもりの無謀なキックボード乗りについて追った。

 * * *
「電動キックボードね。(都心じゃ)ナンバーなしで走ってるのとか普通だよ、ライトも切れてて危ないったらありゃしない」

 新宿区、小さな商店で店先を掃除している方に話を聞いた。新宿といっても広いが地方の方が想像するような新宿駅、アルタ前や歌舞伎町も新宿だが、区としてみれば閑静な住宅街も多い地域である。また戸山や牛込、余丁町、富久町あたりは坂も多い。無論、その名の通り神楽坂なども新宿区で坂の町でもある。

「坂が多いし狭い道ばかりだから移動に便利なんだろうけど、ナンバー取ってないと違法だよね」

 違法である。原付(原動機付自転車、原付1種)とは排気量で50cc以下相当、もしくは駆動モーターの定格出力が0.6kw以下の二輪車を指す。電動キックボードは後者となるが、まず勘違いしないで欲しいのは、現時点ではいかなる電動キックボードであろうとナンバーを取得し、原付以上の免許を取得していなければ違法車両、無免許運転であり、公道走行をしてはならないということである。

「そうだよね、でもナンバーもなければライトもないのとか走ってるよ。夜なんか狭い歩道をスッと来てびっくりする」

 原付にもナンバープレート(標識)の取得はもちろん表示義務(区市町村それぞれの条例による)がある。そもそもヘッドライトがない時点で整備不良および無灯火走行の違反である。

「そういうの知らないで乗ってるのかね」

 知ってか知らずかはわからない。しかし現実には、こうしてナンバーも保安部品もない電動キックボードが走り回っている。

 2022年3月4日、改正道路交通法により電動キックボードの一部が「特定小型原動機付自転車」として無免許、ノーヘルで16歳から乗れるようにする法案が閣議決定、4月19日に衆議院で可決されたが、間違えないで欲しいのがこれをもってすぐに無免許ノーヘルで乗れるわけではないということである。実際に無免許、ノーヘルで乗れるようになるのがいつになるかは不明だが、おそらく2024年5月までには施行される見込みとされている。それはともかく現時点ではそうではない、これだけは確かである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

還暦を過ぎて息子が誕生した船越英一郎
《ベビーカーで3ショットのパパ姿》船越英一郎の再婚相手・23歳年下の松下萌子が1歳の子ども授かるも「指輪も見せず結婚に沈黙貫いた事情」
NEWSポストセブン
ここ数日、X(旧Twitter)で下着ディズニー」という言葉波紋を呼んでいる
《白シャツも脱いで胸元あらわに》グラビア活動女性の「下着ディズニー」投稿が物議…オリエンタルランドが回答「個別の事象についてお答えしておりません」「公序良俗に反するような服装の場合は入園をお断り」
NEWSポストセブン
志穂美悦子さん
《事実上の別居状態》長渕剛が40歳年下美女と接近も「離婚しない」妻・志穂美悦子の“揺るぎない覚悟と肉体”「パンパンな上腕二頭筋に鋼のような腹筋」「強靭な肉体に健全な精神」 
NEWSポストセブン
「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《還暦で正社員として転職》ビッグダディがビル清掃バイトを8月末で退職、林下家5人目のコンビニ店員に転身「9月から次男と期間限定同居」のさすらい人生
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された佳子さま(2025年8月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《日帰り弾丸旅行を満喫》佳子さま、大阪・関西万博を初訪問 輪島塗の地球儀をご覧になった際には被災した職人に気遣われる場面も 
女性セブン
鷲谷は田中のメジャーでの活躍を目の当たりにして、自身もメジャー挑戦を決意した
【日米通算200勝に王手】巨人・田中将大より“一足先にメジャー挑戦”した駒大苫小牧の同級生が贈るエール「やっぱり将大はすごいです。孤高の存在です」
NEWSポストセブン
侵入したクマ
《都内を襲うクマ被害》「筋肉が凄い、犬と全然違う」駐車場で目撃した“疾走する熊の恐怖”、行政は「檻を2基設置、駆除などを視野に対応」
NEWSポストセブン
山田和利・裕貴父子
山田裕貴の父、元中日・山田和利さんが死去 元同僚が明かす「息子のことを周囲に自慢して回らなかった理由」 口数が少なく「真面目で群れない人だった」の人物評
NEWSポストセブン
8月27日早朝、谷本将志容疑者の居室で家宅捜索が行われた(右:共同通信)
《4畳半の居室に“2柱の位牌”》「300万円の自己破産を手伝った」谷本将司容疑者の勤務先社長が明かしていた“不可解な素顔”「飲みに行っても1次会で帰るタイプ」
NEWSポストセブン
国内未承認の危険ドラッグ「エトミデート」が沖縄で蔓延している(時事通信フォト/TikTokより)
《沖縄で広がる“ゾンビタバコ”》「うつろな目、手足は痙攣し、奇声を上げ…」指定薬物「エトミデート」が若者に蔓延する深刻な実態「バイ(売買)の話が不良連中に回っていた」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
【美しい!と称賛】佳子さま “3着目のドットワンピ”に絶賛の声 モード誌スタイリストが解説「セブンティーズな着こなしで、万博と皇室の“歴史”を表現されたのでは」
NEWSポストセブン
騒動から2ヶ月が経ったが…(時事通信フォト)
《正直、ショックだよ》国分太一のコンプラ違反でTOKIO解散に長瀬智也が漏らしていたリアルな“本音”
NEWSポストセブン