ビジネス

少子化の加速は深刻 大前研一氏「背景にある『戸籍』を見直すべき」と提言

(イメージ)

日本の既婚者の出生数はおおむね「2人」だが…(イメージ)

 日本をはじめ、韓国や中国も、深刻な少子化問題を抱えている。韓国は合計特殊出生率が0.81にまで落ち込み、中国は以前の「1人っ子政策」から「3人っ子政策」へ方向転換したが、その効果はまだ見えていない。アジア各国で経済アドバイザーを務め、国家戦略に参画してきた大前研一氏は、その背景には、それぞれの国の社会制度や文化があると指摘する。

 * * *
 中国は1979年以降、爆発する人口を抑制するために半ばパニックになりながら、1組の夫婦につき子供は1人だけという「1人っ子政策」を実施してきました。しかし、それが行き過ぎてしまい、今度は日本よりも早く少子高齢化が進む可能性が出てきて、慌てて軌道修正し始めています(図表1参照)。

【図表1】

【図表1】「3人っ子政策」に転換した中国だが…

 まず、2016年から地域を限って2人まで産んでいいとする「2人っ子政策」に転換しました。それで、1年だけ反転する気配が見られましたが、そのあとまた減り続けています。そこで慌てて今度は2人の制限も解除して、2021年からは3人目の出産も容認しましたが、まだ下がってきています。最新の数字では、2021年の出生数は1062万人で、1949年の建国以来最少となり、合計特殊出生率も1.1〜1.2と日本より低くなると報じられています(日本経済新聞2022年1月18日付)。

 その結果どうなるかというと、女性が強くなります。統計上は、男女比が2%しか違わないのですが、適齢期で男性のほうが余ってしまっているとなると、年収はいくらで、どんなマンションを所有しているか、といった評価の対象となります。また今は、アリババグループ傘下のアントグループ(螞蟻集団)が普及させた個人の信用サービス「芝麻(ゴマ)信用」というものがあり、このスコアが750点以上ないと女性をデートにも誘えないなどと言われています。

関連キーワード

関連記事

トピックス

母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト
4月24日発売の『週刊文春』で、“二股交際疑惑”を報じられた女優・永野芽郁
【ギリギリセーフの可能性も】不倫報道・永野芽郁と田中圭のCMクライアント企業は横並びで「様子見」…NTTコミュニケーションズほか寄せられた「見解」
NEWSポストセブン
ミニから美脚が飛び出す深田恭子
《半同棲ライフの実態》深田恭子の新恋人“茶髪にピアスのテレビマン”が匂わせから一転、SNSを削除した理由「彼なりに覚悟を示した」
NEWSポストセブン