では、どうすれば、この問題を解決できるのか? ここで、各国の婚外子の割合を見ていただくと、いかに日本と韓国が異常かということがわかると思います(図表4参照)。
アイスランドは、生まれてくる子供の実に70.5%が結婚していない夫婦から生まれています。フランスは60.4%、スウェーデンは54.5%、オランダは51.9%、そして先ほどのハンガリーは43.9%となっていて、OECDの平均は41.5%です。
アメリカでさえ39.6%、ドイツは33.9%ということで、3人に1人以上は婚外子です。世界的に見れば、結婚していることが子供を持つ前提とは限らないということになります。逆に、日本や韓国はそれが大前提になっていることが最大の問題というわけです。
そうなってしまう原因の1つが「戸籍」です。法律上、結婚しなければ夫婦で戸籍を作れず、未婚の夫婦から生まれてくる子供は「戸籍に入れてもらえなくて可哀想だ」となってしまう。それで、籍に入らないんだったら堕胎しましょう、という話になるか、そもそも子供を作るのはやめましょう、となってしまいます。
では、その戸籍の根拠とは何でしょうか? 日本国憲法には戸籍についての言及はなく、第24条に「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」となっています。
民法の第739条に「婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる」とあります。明治憲法制定以前の明治4年に制定された旧戸籍法によって、戸籍(いわゆる壬申戸籍)が作られて以来、現在まで続く戸籍法の規定に私たちは縛られてきました。それが、日本の少子化の最大の要因になっているわけです。
したがって、戸籍制度を撤廃すべきというのが私の主張ですが、その前に、とりあえず現状で、若者たちの結婚への意欲を削いでしまっているような日本社会の制度や文化について考えてみたいと思います。