国内

二階俊博・元幹事長に不気味な存在感 日韓関係修復で総理を出し抜く計画か

二階派に動き?(時事通信フォト)

二階氏は号令を掛けているという(時事通信フォト)

「落ち目」といわれる“自民党のドン”二階俊博・元幹事長がここにきて不気味な存在感を示している。

 表面的には、二階派からは離脱者が相次ぎ、「二階王国」と呼ばれる地元・和歌山でも、二階氏が推進したカジノ(統合型リゾート)計画案が県議会で否決されるなど、求心力の衰えは否めないように見える。

 二階氏の“引退近し”と判断した和歌山選出の実力者、世耕弘成・参院幹事長は「林(芳正・外相)さんは参議院から衆議院へ移ってトップ(首相)を目指すという姿勢を示しました。私も地元の皆さんのご理解をいただければ、そういうことも考えていきたい」と衆院への鞍替えに意欲を見せ、二階氏の選挙区を虎視眈眈と狙っている。

 しかし、二階氏は何度も逆境をはね返し、蘇ってきた老獪な政治家だ。2009年総選挙では二階派議員の全員落選という絶体絶命のピンチに立たされながら、わずか3年後には旧伊吹派を飲み込み、二階派を再建して政界を驚かせた。83歳の高齢となった今もその闘志は消えていない。

「訪韓の準備はどうなっている」

 最近、二階氏が派内に号令を掛けているのが韓国訪問だ。

「1000人を引き連れて韓国に行く」

 幹事長時代の2020年1月、二階氏は来日した韓国議員団との会談でそうぶち上げたが、直後からのコロナ感染拡大で訪韓計画は保留となっている。

 折しも、その韓国では5月10日に日韓関係修復を掲げる尹錫悦(ユン・ソンニョル)・新大統領が就任。コロナ感染者数は日韓とも減少傾向にある。「話を進めるには頃合いはいい」と判断したようだ。

 韓国の新政権は大型連休前に国会副議長を団長とする韓日政策協議代表団を日本に派遣したが、裏で根回しをしたのが二階氏だったことはあまり知られていない。

 二階氏は今年1月、側近の武田良太・元総務相を日韓議連幹事長に就任させ、4月には政界引退した側近の河村建夫・元官房長官(前任の日韓議連幹事長)をソウルに派遣、尹大統領側近の秘書室長らと政策協議団の来日を調整させた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン