二階氏の根回しによって韓日政策協議代表団が訪日(4月26日、表敬を受ける岸田首相。写真/共同通信社)
その甲斐あって韓国の代表団は4月24日に来日し、林外相らを表敬訪問した後、二階氏や武田氏ら日韓議連幹部と会談した。
「岸田総理は自分が外相時代に結んだ慰安婦合意を韓国が反故にしたことに遺恨を持っていて、関係修復には消極的だ。代表団と面会した時も写真撮影にさえ応じなかった。二階さんは“それならオレがやる”と大訪問団を引き連れて韓国を訪問し、日韓関係を修復して総理を出しぬくつもりだ。韓国のコロナ入国規制の緩和のタイミングを見ながら、観光業界に声を掛けて1000人規模の訪問団を編成する準備を進めている」(二階派議員)
健在ぶりを示しているのは外交面だけではない。
自民党国土強靭化推進本部長でもある二階氏は連日のように党本部に顔を出して部会などの会合に出席、その合間に役人のレクチャーや県知事、市町村長、業界団体などの陳情を受ける。
「二階さんは総務会長、幹事長時代を通じて業界の利害調整を一手に担ってきた。今の自民党には他にそんなことができる政治家はいない。だから幹事長を辞めても業界団体や役人は二階さんに相談するし、陳情の来客は引きも切らない。対照的に茂木敏充・幹事長の部屋の前にはほとんど陳情客はいない」(大手紙の自民党担当記者)
自民党の「票とカネ」の源泉である業界団体を握るドン・二階氏の威光はなお健在なのだ。
※週刊ポスト2022年5月27日号