阪神次期監督候補か(時事通信フォト)
こうした不安の根底には“弱くても人気がある”という阪神ならではの問題がある。阪神時代に「ベンチがアホやから」の名言を残して引退した江本孟紀氏はこう話す。
「球団があえてリスクを取ってまで落合監督を起用するのかということ。阪神は優勝しなくていいチームですからね。ダントツの最下位でも、12球団で観客動員が一番多い。矢野を辞めさせるために大物を持ってくるというならわかるが、本人がキャンプ前に辞めると言っているんです。巨人が低迷した時に、その気がないのにナベツネ(渡邉恒雄・読売新聞グループ本社代表取締役主筆)が落合監督と口にしたことがあった。その時と状況が似ているようにも見えますね」
“落合監督”という劇薬は実現するのか。球団の覚悟と危機感が問われているとも言えよう。
※週刊ポスト2022年5月27日号