“常勝”ながら客入りは今ひとつだったことで中日を追われたとも言われるが……(写真は2011年/時事通信フォト)

“常勝”ながら客入りは今ひとつだったことで中日を追われたとも言われるが……(写真は2011年/時事通信フォト)

 反発も招くが、結果を出して黙らせた。ただし、そんな落合氏の“泣き所”が人気面だ。Aクラス入りを続けても観客動員数はジリ貧で、人気球団の阪神ではそれがよりシビアに問われるのではないのか。そうした懸念を広岡氏はこう喝破する。

「落合監督になるとファンがいなくなると言われているが、そんなのクソ食らえですよ。大阪は結果がよければ、みんな味方になる。ホント調子がいいんだから……。大阪の人はわかっているから、やっていることが間違ってなければついてきます。落合のような監督が、なぜどこの球団からも呼ばれないのか、不思議で仕方がない。阪神は生え抜きにこだわる必要なんて全くないと思いますよ」

抵抗勢力の存在

 矢野監督の退任が決まっている以上、後任選びが進められていることは間違いない。元阪神球団社長の野崎勝義氏は言う。

「次の監督が決まる時期? 今回のようなケースでは、すでに水面下で動いていないとおかしい。ただし、あまり早く動くとマスコミが察知して潰れてしまう。人気球団だけにやりにくさはありますね」

 野崎氏は球団本部長・専務時代、初の外様となる野村克也氏を監督に招聘。2001年には球団社長となって星野仙一氏を招聘した。

「当時の久万俊二郎オーナーは“常に次の監督を準備しておかないといけない”が口癖で、我々もそう動いていた。最後は久万オーナーの考えでノムさん、星野さんにお願いすると決まりました。

 落合氏は、勝つためにはいい監督でしょうね。当時のキャンプを視察した時に、すごく練習していたのが印象に残っています。夏になるとタイガースは疲れが出て成績が落ちることが多いが、落合監督は“お前らはあれだけ練習してきたんだから、これからはお前らが勝つ時期だ”とムチを入れて夏場に勝っていた。素晴らしいことです」

 その一方で、野崎氏は「勝てる監督ですが、阪神監督としてはどうなのか」と不安も口にする。

「落合監督は“勝てばファンは喜ぶ”という信念のようですが、球団はファンあってのもので、マスコミ対応も重視されます。ノムさんも星野さんも、そこは大事にしていましたからね。

 また、外様のほうが生え抜きよりも改革を進めやすいが、抵抗が大きいのでオーナーが全面的にバックアップしないと厳しい。ノムさんの時はオーナー主導だったが、それでも反改革派がいてしばらくは内部がごたつきました。仮に今のフロントにそれだけの覚悟を持った人材がいるのだとすれば、落合監督は最高の人材だと思います」

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