さんま(左)の貴重なコンビでのステージ姿。右が小禄

さんま(左)の貴重なコンビでのステージ姿。右が小禄

 その確かな手腕は、さんまとのコンビ芸でも発揮された。テレビ番組の収録の際、メイン芸人の到着が遅れて“前説”の時間が延びても、堂々たるアドリブで客席を盛り上げ、見事に間をつないだこともあったという。さんまはそんな兄弟子のそばで、着実に技術を磨いていった。なかでも、さんまの芸人人生に大きな影響を与えたのが「形態模写」、つまりものまねだ。

「落語が低迷していた時代だったこともあって、落語家もいろんな芸に挑戦していた。そんななかでも、小禄さんの相撲の形態模写がすごくウケたんです。北の湖や初代貴ノ花とかね。その横でさんまさんもプロ野球選手の形態模写をして笑いをとる。特にウケたのは、当時巨人にいたピッチャーの小林繁さんでした。

 関西での人気も徐々に高まり、全国ネットの番組で形態模写を披露したことで名前が広く知られるようになった。さんまさんのブレークのきっかけは、この形態模写にありました」(前出・テレビ局関係者)

 コンビの活躍は吉本興業の目にとまった。そこで正式にお笑いコンビとしてデビューすることを提案されたが、さんまは一蹴したという。

「“すぐにでもひとりでやりたい”と言って、さんまさんは固辞。結局、2人が組んでいたのはわずかな期間でした」(前出・テレビ局関係者)

 コンビ解消後、さんまは1977年に人気番組『ヤングおー!おー!』(毎日放送)に出演して知名度を上げ、1980年代に入っても『笑ってる場合ですよ!』や『オレたちひょうきん族』(ともにフジテレビ系)の主要メンバーとして人気を博し、お笑い芸人としての地位を確固たるものにしていった。一方、小禄は満足いく結果を残せずにいた。

「芸能の仕事は細々と続けていきつつ、副業として京都でスナックを経営していたそうです。その間、吉本に内緒で後輩芸人のマネジメントをしたり、“とっ払い”の仕事を受けていた。いまでいう“闇営業”ですね。それがバレて、吉本をクビになったと聞いています」(芸能関係者)

 同時期に小禄は松之助さんに破門されている。前出の松枝は「お金でしくじって破門になったと聞いている」と明かす。そんな小禄は1994年にも、詐欺の疑いで逮捕されていた。今回とは金額があまりにも違う“巨額詐欺”だ。

「母親の内縁の夫が亡くなった際、6人の知人に“葬儀代が払えないので貸してほしい。香典で返す”と頼み、総額2000万円ほどだまし取った疑いです。それだけじゃありません。その少し前には、経営していたイベント会社で、“おれはさんまの兄弟子やから、坂田利夫さんや山田スミ子さんを呼べる”という口上で、着物展示販売ショーを企画。数十人の出資者から10億円近くを集めましたが、客が思うように集まらず経営不振に。出資者から損害賠償請求され、詐欺罪での告訴も検討されていたようです。結果、自己破産しました」(全国紙社会部記者)

関連記事

トピックス

六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
中川翔子インスタグラム@shoko55mmtsより。4月に行われた「フレンズ・オブ・ディズニー・コンサート2025」には10周年を皆勤賞で参加し、ラプンツェルの『自由への扉』など歌った。
【速報・中川翔子が独立&妊娠発表】 “レベル40”のバースデーライブ直前で発表となった理由
NEWSポストセブン
板倉東洋大前駅Pの駅情報。1日平均乗降客数は2023年度で3,404人(東武鉄道HPより)
《大学名を冠した駅名は大学が移転したらどうなる?》東洋大学と北海道医療大学のキャンパス移転で、駅名を巡る「明暗」
NEWSポストセブン
奈良公園で盗撮したのではないかと問題視されている写真(左)と、盗撮トラブルで“写真撮影禁止”を決断したある有名神社(左・SNSより、右・公式SNSより)
《観光地で相次ぐ“盗撮”問題》奈良・シカの次は大阪・今宮戎神社 “福娘盗撮トラブル”に苦渋の「敷地内で人物の撮影一切禁止」を決断 神社側は「ご奉仕行為の妨げとなる」
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン
花の井役を演じる小芝風花(NHKホームページより)
“清純派女優”小芝風花が大河『べらぼう』で“妖艶な遊女”役を好演 中国在住の実父に「異国まで届く評判」聞いた
NEWSポストセブン
第一子を出産した真美子さんと大谷
《デコピンと「ゆったり服」でお出かけ》真美子さん、大谷翔平が明かした「病院通い」に心配の声も…出産直前に見られていた「ポルシェで元気そうな外出」
NEWSポストセブン