スポーツ

エンターテイナー羽生結弦 アイスショーで見せたアドリブ「スーパーゆづタイム」

羽生選手が即興のパフォーマンスで観客を楽しませるサプライズ(時事通信フォト)

羽生選手が即興のパフォーマンスで観客を楽しませるサプライズ(時事通信フォト)

 6月4日に開催されたアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」(以下FaOI)の名古屋公演でのこと。黒いパンツに黒のラメ入りジャケットを着た羽生結弦(27才)が、おどけたような表情で、両手を振りながらリンクの上を跳ねるように歩いたかと思うと、ジャケットをはだけて両肩を出し、ノースリーブのシャツから素肌を見せるセクシーなスタイルで、リンクを駆けまわる。

 極め付きは、両肩をはだけたまま背中を大きく反り返らせ、鍛え上げられた腹筋を見せる。そのまま右手をぐっと後ろに反らせ、膝でズサーッと滑り寄ると、観客は息をのんだ──。 5月27日から千葉・幕張でスタートした「FaOI」は舞台を次の場所に移した。

「今回、幕張、名古屋、神戸、静岡とすべての公演に参加する羽生選手は、一度地元の仙台に戻って休養した後、万全の体調で名古屋入りしたそうです」(フィギュアスケート関係者)

 プログラムには書かれていない冒頭の羽生の演技はすべてがアドリブだったという。観客のひとりが興奮しながらこう振り返る。

「“事件”は出演者全員が勢揃いしたオープニングの後に起きました。ほかのみんなが退場して会場の照明が落とされた後、なぜかユヅくんひとりがリンクに残り、膝をついて氷を手で触っている。

 その場でピョンピョン跳ね、両手を顔の前で合わせて『お願い』のようなポーズをしたと思うと、整氷スタッフが急いで駆け寄ってきました。どうやらリンクに穴が開いているのにユヅくんが気づいたみたい。それから彼にスポットライトが当てられて、感動のパフォーマンスが始まったんです」

 会場に「氷に不具合が見つかりましたので整氷作業に入ります。いましばらくお待ちください」のアナウンスが流れる。

 その瞬間、羽生が滑り出したのだ。退屈なはずの整氷タイムは、羽生の機転により、「至福のスーパーゆづタイム」に変わった。

「氷に穴が開くのはよくあることではあるけれど、整氷を待つ時間は、競技でもショーでも手持ち無沙汰な時間になってしまう。それをアドリブで大きなプラスに変えた羽生選手の判断の素晴らしさに感動しました。即興のパフォーマンスも観客のハートを鷲掴みにする見事なもので、“引き出し”の多さは本当にすごいと思います」(前出・フィギュアスケート関係者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト