だが『インビジブル』の視聴率は振るわず、9%台で始まった第1話が最高で、第8話(6月3日放送)ではついに5%を割り込んでしまった。平均視聴率でも『マイファミリー』の半分以下で、同局内で大きく差がついた。テレビ誌記者はこう分析する。
「リアルタイム視聴が少ない金曜夜の時間帯なのでもともと視聴率的には不利なのですが、複雑で難解なストーリーを進めるうえで原田さんの演技に頼りすぎたように感じます。いくら芸人の中では演技が上手といっても、警察の専門用語を多用した長台詞ではどうしても棒読みに聞こえてしまい、凶悪事件の捜査を指揮する一課長の緊迫感を出せなかった。
一方、『マイファミリー』での富澤さんは寡黙な役柄で、基本的には部下刑事の葛城圭史(玉木宏)や日下部七彦(迫田孝也)の発言を聞き、YES・NOを判断するような短い台詞が大半です。演技派の俳優に舞台回しを任せて、富澤さんは顔の表情で演技する。重要な役柄での富澤さんの起用には不安もあったと思いますが、キャラ設定で上手に解消したといえます」
芸人と俳優の“二足の草鞋”が上手くいくかどうかは、本人の演技力だけではなく、脚本と周囲の演者のサポートにもかかっているようだ。