芸能

大河ドラマに登場する「馬」 乗馬の素人が乗っても「演技」できるか

役者が乗っても演技ができる馬の違いは?

役者が乗っても演技ができる馬は何が違う?

 大河ドラマなど、歴史ものの作品には馬の存在は欠かせない。そうした馬はどのようにして選ばれるのか。映画史・時代劇研究家の春日太一氏が、現在放送中の『鎌倉殿の13人』を含め多くの映像作品で馬術指導を担当するラングラーランチの田中光法さんに、役者が乗っても演技ができる馬について話を聞いた。

 * * *
田中:「役馬」という、役者さんが乗れる馬というのは相当仕上がっているんです。僕らみたいな技術者が乗って初めて御せる馬とは違うわけです。

 役者さんは、大河ドラマでも多くて二十回から三十回ぐらいの練習しかできません。乗馬の世界ではまだまだ素人。役馬は、そうした「乗れない人」が乗っても演技ができる馬でなければなりません。

 それを育てるために、僕はアメリカに直接買いつけに行きます。そして必ず全ての馬に乗り、その中から選定して買ってくる。短期間でその馬を調教しないといけないので、どんな馬でもいいわけではないんですよね。

──馬を選定される際は、どのような基準なのでしょう?

田中:まず、人間からの操作を受けられる素直さを持っているか。それから、身体のやわらかさ、そして身体のバランスですね。あと、これは乗ったときの感覚なのですが──頭の良さです。

 日本の馬術家でも、海外から調教が出来上がってる馬を買ってくるというパターンが意外と多いんです。その馬の身体のやわらかさとかを見ないんです。障害を飛ぶ能力があるかないかぐらいの判断でしか、馬を選定しません。

 でも僕は一から育てていくので、そうはいきません。特に、身体のやわらかさは非常に重要なのです。人間も身体が硬いとケガをしやすいですよね。それに、身体を動かすときに苦しくなってしまう。これは馬もまったく同じなんです。

 特に馬は、ものすごく素直なので、痛いこと、苦しいこと、怖いことはやりたくないんです。たとえば、「曲がれ」という動きを教えるときにも、馬の身体が硬いと、それだけで苦しい動きになり、苦しい運動になりますよね。そうすると、「やりたくない」となってしまう。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト