国内

山口組の分裂抗争がついに終結へ【後編】情報戦の舞台はSNSやYouTubeに

分裂から7年を迎えようとしているが…(神戸山口組の井上邦雄組長/時事通信フォト)

分裂から7年を迎えようとしているが…(神戸山口組の井上邦雄組長/時事通信フォト)

 日本最大の暴力団・山口組が分裂してから7年を迎えようとするなか、突如、六代目山口組が敵対勢力である神戸山口組のトップ・井上邦雄組長への襲撃を始めた。抗争のフェーズが一段階上がり、民間人が恐怖に脅える事態を引き起こしてまで、彼らが狙うものはなにか。暴力団取材の第一人者が深層に迫った。【前後編の後編。前編から読む

 * * *
 暴力団社会を見ても、終結に向かおうとする動きが見え隠れする。実話系週刊誌で報じられたように、福岡県久留米市に本部を置く道仁会の小林哲治会長が、井上組長と面談しているのだ。警察サイドの情報を詳細に書くと、すぐさま犯人探しが始まるので関係者としか書けないが、どうやら両者は2度、もしくは3度会談をしたらしい。

 道仁会は山口組に対して、一歩も引かない暴力性を誇る武闘派団体である。山口組分裂の直後、組織を割って出た神戸側はもちろん、六代目側とも接触しないと宣言したこともあり、警察は反山口組の最右翼と考えている。その小林会長が神戸山口組のトップと会談しているのだから、茶飲み話であるはずがない。若い衆に道を付け、抗争終結を打診しているとみるのが妥当だ。

 警察関係者も、密室で行なわれている両者の会談がどうなっているか、具体的な内容は分からないという。

 もちろん神戸山口組が腹をくくり、乾坤一擲のヒットマンが六代目山口組の有力者を立て続けに殺害、局面をひっくり返す可能性もある。

「これまで何度も大事な局面はあった。捨て身でトップ、ナンバー2、ナンバー3の命を取れば戦況は変わるかもしれない。しかし、もはや口でなにを言っても空々しい。第一、いまさらヤクザ同士が争っている時代ではない。これ以上抗争を続ければ、警察だけが得をし、ヤクザの終焉が早まるだけ」(前出の指定暴力団幹部)

 暴力団社会では、冷淡な声が圧倒的だ。

SNSで繰り広げられる情報戦

 山口組分裂抗争は、六代目山口組VS神戸山口組の二極対立だけではない。

 前述した絆會は神戸山口組から離脱した第三勢力である。また山口組分裂の首謀者である岡山の池田組・池田孝志組長も神戸山口組を離脱し、第四勢力を形成している。絆會と池田組は手を組んでおり、池田組長は織田代表を信頼しているという。池田組は若頭を殺害され、後任の若頭もまた銃撃されているが、いっこうに報復する気配がない。絆會は池田組の行動部隊なのかもしれない。

 6月1日、六代目山口組が池田組に対する攻撃中止を通達したため、マスコミの一部は「池田組長が引退を決意」と報道した。よく考えればあり得ない情報だった。池田組長が身を引けば、絆會の立場が宙に浮く。そんな勝手をするはずがない。

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン