ですって。さすが新著(新潮新書『よくも言ってくれたよな』)で「マスク固持派」をバッサバッサと小気味よくなぎ倒しておられるだけある。
彼はその著書の中で《恐らく2022年末は「なんで我々はあんなにコロナを恐れていたのだ……」という論調になっていることでしょう。そうなっていなかったら本格的に日本はヤバい》と書いています。
ヤバいといえば、私の場合、身体的理由からマスク着用がヤバいときがあるんだよね。バスや飛行機に乗るとアナウンスで、「感染予防のためにマスクをつけてください」と言った後にサラッと「特にお体に問題があるかた以外は」とつけ加えるんだけど、実は私はその当事者で、お体に問題がありありなんですってば。
私は心臓に持病があって、先日2度目の心房細動の発作を起こしたんだけど、マスクをつけて階段を上ったりすると心臓の拍動が激しくなるのよ。で、たまらずマスクを外して深呼吸をすると「おお、酸素だ」と体が喜んで、心拍数も落ち着いてくる。
だから、ホントに困るよ。電車でも飛行機でも、「ほかのお客様の安心のためにマスクをつけましょう」とアナウンスされると。「安全」じゃなくて「安心」ってことは、マスクは気休めってことでしょ? それなら、人様の気休めより自分の体調を優先したいけど公共の場でそれを伝えるのはけっこう難しいよ。いっそのこと、首から「身体的事情でマスク無理」というプラカードでもさげるか?
とか言いながら、梅雨明けが見ものだと思う。
ついこの間、「屋外で2m以上離れていればマスク不要」と厚労省が言い出してから、口紅が急に売れ出したらしいけど(都内の某デパートでは売り上げ2割増!)。最後に口紅を買ったの、いつだったかしら。結局、人は必要と思わないことをいつまでもし続けられないんだって。
新型コロナウイルスの感染が2019年12月に始まってから、今年で3回目の夏。
そういえば今日の帰り道、うちの近所でマスクなしのサラリーマンを何人も見かけたし、車のドライバーはタクシー以外、半分はマスクをつけていなかったよ。
【プロフィール】
「オバ記者」こと野原広子/1957年、茨城県生まれ。空中ブランコ、富士登山など、体験取材を得意とする。
※女性セブン2022年7月7・14日号