現役時代は南海、西武で捕手として活躍し、阪神コーチ時代は野村(克也)監督の懐刀として「キャッチャー・矢野」を指導した元編成部長の黒田正宏氏は、「打順が固まったことが大きい」とみる。
「スタートダッシュに失敗してベンチが焦っていたと思う。取り返すために打線をやりくりして軸が決まらなかった。最大の問題は開幕戦で3番を打っていたマルテのケガ。3番・マルテ、4番・佐藤、5番・大山で固定しようとした矢先にマルテが抜けた。それが、交流戦の後半(6月1日の西武戦)から近本(光司)を3番に置いて、外国人に頼らない打線にした。同時に1番に島田海吏を起用したのも大きかった。島田、中野(拓夢)、近本と俊足の選手が1番から3番まで続き、機動力を生かせるようになった。この打線にしてから6連勝。48通り目のオーダーだそうだが、一番しっくりしている。理想のオーダーじゃないですかね。矢野監督の自信につながっていると思います」
※週刊ポスト2022年7月8・15日号