ライフ

エボラは致死率90%…人の社会に出現する動物由来の“未知のウイルス”

エボラ出血熱の脅威とは

エボラ出血熱や動物由来のウイルスの脅威とは

 今もその対応に悩まされている新型コロナウイルスだけでなく、人類は様々な感染症とともに生きていかなければならない。白鴎大学教授の岡田晴恵氏による週刊ポスト連載『感染るんです』より、エボラ出血熱についてお届けする。

 * * *
「新顔のウイルスは、環境破壊の進んだ地域から浮上している」

 これはエボラ出血熱(エボラウイルス感染症)を描いた『ホット・ゾーン』(リチャード・プレストン著 高見浩訳、飛鳥新社)からの一文です。

 この百年、世界人口は飛躍的に増加し、熱帯雨林などの野生動物の生息地域の開発も急拡大しています。人が野生動物のエリアに侵入することで動物由来の未知のウイルスに暴露され、人の社会に新型ウイルスが出現するリスクが高まります。そして、地球の一地域で発生したそのようなアウトブレイク(悪疫・感染症の突発的発生)は、グローバル化した高速大量輸送網に便乗して、短期間でパンデミックに発展するのです。

 エボラウイルスはおそらくオオコウモリを自然宿主として密林に生息し、それに感染した野生動物の死体や生肉に直接触れたことで人が感染します。

 2014年、中央アフリカの“密林地帯の風土病”であったエボラ出血熱が、西アフリカ三国(ギニア・リベリア・シエラレオネ)で急拡大。2016年にWHOによって終息宣言が出されるまでの感染者数は、これまで20回以上のエボラのアウトブレイクの総感染者数をはるかに凌駕したのです。遺体が路上に放置され、医療は崩壊。もはや現地政府では制御できない状態に陥って、国連安全保障理事会は緊急会合を開き、異例とも言える公衆衛生上の安保理決議を採択したのでした。

 エボラ出血熱は平均7~10日の潜伏期をおいて、インフルエンザ様症状から嘔吐下痢などの消化器症状が表れることが特徴で、さらに重症化すると吐血、口腔歯肉や消化管などから出血が起こります。実際に出血症状が出るのは全患者の7割で、重篤化した場合に限られますが、内出血、外出血を伴うと意識混濁からショック症状に陥り、死に至る場合が多くなります。

関連記事

トピックス

大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
(公式インスタグラムより)
『ぼくたちん家』ついにLGBTのラブストーリーがプライム帯に進出 BLとの違いは? なぜ他の恋愛ドラマより量産される? 
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン