さまざまなジャンルで活躍するブラザートム(撮影/黒石あみ)

さまざまなジャンルで活躍するブラザートム(撮影/黒石あみ)

 コンサートをやれば、ファンサービスとして「WON’T BE LONG」も歌います。ところが、EXILE&倖田來未が2006年にカバーしてくれたから、最近はアッチが本家だと思っている人も多くて「トムさんもEXILEのファンなんですか?」って言われるんです(笑い)。まあ、バブルガムでもコーンが歌ってたんだけど、今じゃどっちが歌ってたかわかる人も少ない。しかも、コーンの作詞作曲だし……僕としてはせめて、どっちか僕がやってれば今ごろ印税で楽だったのに……と思いますね(笑い)。

 ただ、おカネがなくても好きなことをして、幸せに生きていけるのが芸能界。夢を追っかけていられる。僕はコメディアンだったり音楽をやったり、そのときどきで楽しいと思うことをやってきたから、「変わったオジサン」だと思われているみたいですね。この間もタクシーに乗ったら「俳優さんですよね?」って言われて、「僕って俳優なのか!」と思いましたよ。自分では、僕はずっと「何かをやってみんなを楽しませたい人」なんだと思います。それが今はミュージカルなんでしょうね。

子どもたちとの関係は

 コロナで自粛期間中は、家で絵を描いたり脚本を書いたりしていました。それから、舞台演出に関する特許をとりました。日米欧で。ドローンなどの移動体と発光体を使って、たとえば大ホールでも会場全体を使ってダイナミックな照明や音響の演出ができるようになる舞台装置ですね。僕はステージが好きだから、離れたくないんですよ、80歳になっても。自分1人で大勢のお客さんを呼べなくても、たくさんのお客さんを呼べる誰かがこの装置を使って面白いことをやってくれれば、僕もステージに関わり続けることができる。それが幸せなんです。

 16年前に心筋梗塞で入院したことがありますが、今もタバコも吸うし酒も飲む。ただ、年齢とともに量は減っていますよ。タバコは2日で1箱くらい。酒は昔みたいに二日酔いにならないので毎日飲めるようになりました。だから少し弱くなったんでしょうね、外で飲んでも、家にちゃんとたどりつけますし(笑い)。何でも飲みます。酒の神様バッカスは、僕にすべての酒の味がわかるようにしてくれました。

 飲んでも早く寝ますし、朝も早い。毎朝6、7時に起きています。で、何をやってるかと言ったら、僕の名前を伏せてTikTokで音楽をやってしゃべっています。そんなに早朝でも、始めると700人ぐらい集まってくるんですよ。楽しいですね。人生、飽きないです(笑い)。ずっと、こんなに好きなことをやって、ストレスなく暮らして長生きしたら、一生懸命節制して生きてる人は悔しいと思いますけど、この前、医者に「あと50年生きられます」って言われました。心筋梗塞をやってからは、2か月に1回は通院して血液検査とか受けているんです。

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