晩年の野村さんはどんな生活を送っていたのか。私生活では29才のときに演出家と結婚したが、夫は2001年に他界。子供はおらず、ひとり暮らしだった。いわゆる“孤独死”と言えるが、決して孤独な晩年だったわけではない。むしろ、悠々自適な“おひとりさま生活”を満喫していたようだ。近隣住民が話す。
「6月下旬に自宅付近を歩く野村さんと話しました。家事や料理もすべて自分でこなしていたようで、とてもお元気そうでしたよ。あの日はご自分でタクシーを拾って、お出かけになるところでした」
『家政婦は見た!』での野村さんをモノマネし、ドラマで共演したこともあるタレントの山田邦子(62才)は、今年4月、寿司店で野村さんにばったり会ったという。
「カウンターで間に3人くらいのお客さんがいて、最初は野村さんがいらっしゃることに気づかなくて。1時間くらいして、ようやく気づいたんです。お会いしたのは5年ぶりくらいでしたが、以前とまったくお変わりなく、『会えてうれしい』と繰り返し伝えました。
私は用事があって1時間くらいで帰らないといけなかったのですが、野村さんは『そんなに会えてうれしいのに、行くの?』っておっしゃるんですよ。まさかそれが最後になるなんて。もっとお話ししておけばよかった……」(山田)
野村さんは大の寿司好きで、店には「3日に1度」のペースで通っていたという。その寿司店の大将が話す。
「野村さんは37年前の開店当初からの常連でした。亡くなる直前も一人前をペロリと食べていましたよ。昔はお酒もよく飲まれていましたが、この10年間くらいは『酔ってけがをしたらいけないから』とノンアルコールビールを手酌でチビチビと飲んでいた。調子のいい日は、2本飲まれることもありました」
足腰も最後まで丈夫だった。
「以前は手押し車を使っていたんですが、1〜2か月前に『誰かに盗まれちゃった』と言っていました。それでも自宅にこもらず、1人で歩いて店に来ていました。本当に急なお別れでした」(前出・寿司店の大将)
2001年に夫と死別した後、彼女のそばにいたのは、ビションフリーゼという小型犬の「タッキーちゃん」だった。名前は『渡る世間は鬼ばかり』の自身の役名にちなんだものだ。愛犬は2018年に23才で旅立ったが、人間に換算すると100才を超える大往生だった。
「タッキーちゃんのお骨は海に散骨したそうです。旦那さんの遺骨も散骨済みで、自分も死後は海を漂いたいと話されていました」(芸能関係者)