スポーツ

セレクトセール2022雑感 来年のサンデーサラブレッドクラブ募集馬はどうなるか

最高額だったモシーンの2021(写真/日本競走馬協会)

最高額だったモシーンの2021(写真/日本競走馬協会)

 日本の競走馬の質の高さは世界に広く知られることになった。それが如実にわかるのが年に1回開かれる日本最大の競走馬セリ市・セレクトセールである。競馬ライターの東田和美氏がレポートする。

 * * *
 落札総額が250億円を超えようが、2日間で1億円以上の馬が50頭以上出ようが、20億円以上の買い物をするオーナーがいようが、もう驚かない。ノーザンファーム生産馬にことごとく高値が付くのもお約束になった。もちろん高額でセリ落とされた馬が1勝もできないことがあることも多くの人がわかってきた。

 とはいえ、ディープインパクト産駒が1頭もいなくなり、ハーツクライ産駒も1歳馬で最後。購買者の顔触れも入れ替わってきており、時代の変わり目であることは確か。セレクションセールを始めとするこれからの北海道市場も注目だが、フツーの競馬ファンとしては当歳市場から今後の種牡馬傾向を探ることぐらいはしておいたほうがいいと思う。

 POGファンならばすでに大物オーナーがどんな馬を競り落としたかをチェックしているだろうが、一口クラブの会員はこの結果が来年の募集価格にどう影響を与えるかが気になるところ。ここでは主に今年のサンデーサラブレッドクラブ募集馬の弟妹を中心に考察してみたい(当然のことながら産駒の出来や今後の成長度合いなどによるため、すべてがクラブで募集されるわけではない。またすでに今年のセールに上場された当歳馬もいることをお断りしておく)。

 1歳馬も含めれば今年のセレクトセールでの人気はこの1年間の競馬で結果を出してきたエピファネイアとドゥラメンテだ。

 とくに今春GⅠ4勝のドゥラメンテは昨夏急死したこともあって、2日間で1億円以上が9頭、21頭で落札総額の1割近い23億ほどを売り上げた。今年サンデーサラブレッドクラブではBCフィリー&メアスプリントを勝ったミュージカルロマンスの牡馬が6000万円で募集されたが、ここに上場されていたら2億円の値がついてもおかしくなかったのではないか。

 クラブ会員にとってうれしいのは、来年の募集でもまだ出資の機会があること。今年父リアルスティール産駒の兄が4000万円だったメリート(の22。以下同)、キズナ産駒の姉7000万円だったウェイヴェルアヴェニューなどは高値がつくと予想される。

 34頭で31億、12頭が億超えだったエピファネイアに関しては今年の募集価格にさらに上積みされそう。ロードカナロア牝馬が5000万円だったサロニカ、ドレフォンで3400万円だったビートフォーセールがともに牡馬を生んでおり、価格アップは避けられないだろう。忘れてはいけないのがシルクで募集されるだろうアーモンドアイの牡馬。いったいいくらになるのか楽しみだ。

関連記事

トピックス

(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン