芸能

結婚より仕事を選んだ『ちむどんどん』飯豊まりえ “失恋女優”の新キャラを確立か

なぜか、失恋する役柄が多い(時事通信フォト)

なぜか、失恋する役柄が多いという(時事通信フォト)

 黒島結菜、川口春奈、上白石萌歌が3姉妹を演じるなど、豪華キャストが目白押しのNHK朝ドラ『ちむどんどん』。第15週(7月18日〜22日)では3姉妹の父母(大森南朋と仲間由紀恵)の過去と沖縄戦がテーマになるなど、放送週ごとに “主人公”が移り変わるストーリー展開も話題だ。そうしたなか、ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏は、第14週(7月11日〜15日)で「結婚より仕事」を選び異国へ旅立った大野愛(飯豊まりえ)に注目したという。小林氏が綴る。

 * * *
 先日、NHK朝ドラ『ちむどんどん』で女優・飯豊まりえさん演じる大野愛が、青柳和彦(宮沢氷魚)と婚約を解消した。この二人の恋愛展開、あまりにも女性側の分が悪すぎて、ややイライラした。

 状況はこうだ。同じ新聞社で働く社内恋愛カップル。愛は、仕事を極めたいとの思いとは裏腹に、父親から勧められて婚約をする。その最中に幼なじみの比嘉暢子(黒島結菜)と出会ってしまった和彦。お互いに思いを寄せながらも、和彦が煮え切らず、(予想として)不憫に思った愛が身を引いた。パリでファッションに関わる仕事がしたいという希望が愛には残ったけれど、ふられると分かっていた間、どんなに辛かっただろうか。

 と、考えていると……飯豊さん。ふと“ふられ役”が多いことを思い出した。まだ24歳なのになぜ失恋するイメージがついてまわるのだろうか?

ふられてもなお、たくましい

 彼女の出演作を網羅しているわけではないので、あくまでも印象に残った失恋劇を振り返ろう。

 まずは『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』(TBS系・2018年)のメグリンこと西留めぐみ役。このキャラクター、絶妙に女性の反感を買う役柄で放送当時、SNSで話題を呼んだ。私もその思いに共感した一人である。メグリンはまず可愛い、そして何不自由なく育ったお嬢様。出会ってしまった恋のお相手・神楽木晴(平野紫耀/King & Prince)に猛アタックを重ねていく。もう……神楽木の相手は江戸川音(杉咲花)なのに!

 結局、メグリンは恋に敗れて身を引く。でも最終回で同じく、音にふられてしまった馳天馬(中川大志)へちょっかいを出す姿が良かった。そしてメグリンの失恋と同時に、女性ファン票が増えてきていたことも確かだった。

 他にもふられ姿で強烈だったのは『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系・2021年)の川本つぐみ役。つきあった男にふられたその足で、ひとり、カツカレーをかきこむ姿は天晴れだった。女性版『孤独のグルメ』とでも言おうか、終わった恋を食でなぐさめるとは潔い。そもそもこのドラマは主人公のつぐみの性格がひねくれていることが導入。でもいつの間にか、ひとり飯のメニューに目がいってしまったのは、飯豊さんの振り切った演技の賜物だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン