「第25回日本レコード大賞」で『ガラスの林檎』を歌い上げる聖子

「第25回日本レコード大賞」で『ガラスの林檎』を歌い上げる聖子

 その局に眠るアーカイプは、「ネットにはないテレビ局ならではの財産」そのもの。コロナ禍に入って以降、民放各局がその価値を見直し、「アーカイブを積極的に使おう」という姿勢を見せていることも「昭和」を扱う機会が増えた理由の1つでしょう。たとえば、現在はコンプライアンスやクレーム回避などの理由から撮影できないことも、昭和の番組で放送されたものなら使用して驚きや笑いにつなげられるなど、表現の幅を広げることができます。

 もちろん膨大な資料の中から現在の視聴者に受けそうなものを探し出すのは労力が必要であり、使用許可を得ることが困難なものもあるでしょう。しかし、作り手たちは「家族視聴とSNSの盛り上がりを狙える」というメリットの大きさをわかっているため、地道な努力を重ねているのです。

「8月は昭和を振り返る時期」の意識

 今、昭和が地上波のゴールデンタイムで使われている理由としてもう1つあげておきたいのは、「8月」の持つ特殊性。8月は戦争を中心に「昭和を振り返る」という意識が強い時期であり、毎年それらの番組やコーナーを手がけるテレビ局員はなおのことです。

 また、大人も子どもも夏休みがある上に、特にお盆前後は家族・親族が集まりやすい時期。テレビマンが家族・親族がそろって見てもらえる企画を考えたとき、「8月だし、昭和の特集がいいのではないか」と考えるのは自然な流れなのです。

 余談ですが、冒頭にあげた『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)の「昭和アイドルベスト20 SP!!」は、『24時間テレビ』(日本テレビ系)対策の特番とも言えるでしょう。日本テレビ以外の民放各局は高視聴率を獲得し続ける「『24時間テレビ』の裏でどんな番組を放送するか」の編成に頭を悩ませているからです。

 その『24時間テレビ』も昭和のころから続く長寿番組ではありますが、昭和のアイドル特集が一矢報いることができるのか。注目してみてはいかがでしょうか。

【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。

今も変わらず活躍を続ける聖子

今も変わらず活躍を続ける聖子

中国ではこの時代の明菜と同じメイクが流行中(写真は1988年撮影)

明菜も昭和のアイドルの1人(写真は1988年撮影)

名曲「渚のはいから人魚」

小泉今日子の名曲『渚のはいから人魚』

関連記事

トピックス

日本のブライダルファッションの先駆け的存在、桂由美さん
《芸能人も多数着用》桂由美さんが生前嘆いていた「ナシ婚」 ウエディングドレスで「花嫁を美しく幸せにしたい」強い思い
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
小野寺さんが1日目に行った施術は―
【スキンブースター】皮下に注射で製剤を注入する施術。顔全体と首に「ジュベルック」、ほうれい線に「リジュラン」、額・目尻・頰に「ボトックス」を注入。【高周波・レーザー治療】「レガートⅡ」「フラクショナルレーザー」というマシンによる治療でたるみやしわを改善
韓国2泊3日「プチ整形&エステ旅行」【完結編】 挑戦した54才女性は「少なくとも10才は若返ったと思います!」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン
日本人パートナーがフランスの有名雑誌『Le Point』で悲痛な告白(写真/アフロ)
【300億円の財産はどうなるのか】アラン・ドロンのお家騒動「子供たちが日本人パートナーを告発」「子供たちは“仲間割れ”」のカオス状態 仏国民は高い関心
女性セブン
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
《視聴者は好意的な評価》『ちびまる子ちゃん』『サンモニ』『笑点』…長寿番組の交代はなぜスムーズに受け入れられたのか?成否の鍵を握る“色”
NEWSポストセブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン