森光子さんもバーラウンジに
「巨泉さんの発案で『天城越えを歌う会』なるものが発足し、“石川さん本人を招いて『天城越え』を歌おう”という話になったそうです。メンバーの顔ぶれを見てわかるように、巨泉さんと仲のいい人たちですね。石坂さんや森さんは巨泉さんのクイズ番組の常連。当時、浅丘さんは石坂さんの奥さんで、加賀さんは石坂ご夫妻にとって、“恋のキューピッド”でした」(当時を知る芸能関係者)
石川はこのメンバーから見ると年下で、プライベートでの親交もなかったという。突然、先輩たちに呼び出しを受けた石川だが、「きっとご本人は面倒なことに巻き込まれたと思ったと思いますよ」と笑うのは、会に参加した加賀だ。加賀本人が当時を振り返る。
「曲が発売されてすぐ、私たちの間で話題になったんです。特に巨泉さんが“これは凄い名曲だ”と衝撃を受けたようで。石川さんには彼女のマネジャーさんを通じてオファーを出しました。突然だったから驚いたと思いますよ(笑い)。石川さんは当時、小さい娘さんがいたから、会は夕方の早い時間、5時頃から始めました。私はもともと歌うのが好きではないけれど、先輩たちが言うから、仕方なく参加したのよ(笑い)」
店に集まると、石川の目の前で、参加者のひとりひとりが順番に『天城越え』を歌っていった。森さんは細くきれいな声、浅丘はドスの利いた声で叫ぶように熱唱。加賀は立て膝で歌ったという。
「いちばん最初に歌ったのは森さんだったと思います。私が立て膝で歌ったのは、歌の主人公の女性はお嬢さんというイメージではないと思ったから。“山が燃える~”のところは、“体が燃える”という解釈で歌っていました」(加賀)
ちなみに、加賀は会のメンバーでもある石坂と過去に交際しており、破局後、浅丘に石坂を紹介。その後、ふたりが結婚するという“複雑な関係”でもあった。
「しかも、この当時、石坂さんと浅丘さんは既に別居してから10年ほどが経っていました。独特な夫婦関係は芸能関係者の間では有名でしたね。先生役の石川さんも、いろんな意味で緊張を感じていたと思います(笑い)」(前出・当時を知る芸能関係者)
