国内

森喜朗元首相の「胸像」計画 発起人・橋本聖子氏と森氏の「父」「娘」と呼び合う固い絆

2000年、橋本氏がつれてきた三女、せいかちゃん(生後1ヵ月)を抱く森元首相(写真/時事通信デジタル)

2000年、橋本氏がつれてきた三女(生後1か月)を抱く森元首相(写真/時事通信フォト)

 東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の会長などを務めた森喜朗元首相(85)の胸像を建立する計画が進んでいることを複数メディアが報じ、ネット上で物議をかもしている。かつては女性蔑視発言などさまざまな失言で世間から批判を浴びた森氏。さらに、東京五輪をめぐる汚職事件で関係者が逮捕されるなどゴタつく中で、なぜ胸像建立を進めようとしているのか。

 この計画の発起人の1人は橋本聖子・参議院議員(57)。女性蔑視発言で東京五輪組織委員会会長を辞任した森氏の後を引き継いだ騒動も記憶に新しいが、かねて森氏を“父”と慕い、森氏からの信頼も篤い。そんな2人の関係が始まったのは、橋本氏が政界入りする以前のこと。1995年に参議院選挙の比例区に自民党から立候補して初当選を果たした橋本氏に出馬を勧めたのが、当時自民党幹事長だった森氏だ。

「アスリートから政治家へと転身した橋本さんにとって、森さんはいわば“政界の親”。また、学生時代にラグビーに打ち込んだ森さんは、同じアスリートとしても尊敬できる存在だったのでしょう。橋本さんも幼い頃から実の父に”スポ根教育” をされた人。そんな筋金入りの体育会系だからこそ、森さんとも馬が合うのでしょうね。お互いに父、娘と呼び合う関係です」(政治記者)

 一方で、橋本氏はかつてセクハラや女性蔑視を受けた経験も持つ。31歳まで現役を続けたことは当時の女性アスリートとして異例だったこともあり「早く引退して結婚しないと行き遅れるぞ」といったヤジを受けたこともある。また、第1子を出産した2000年当時は、現役国会議員の出産はほとんど例がなく、産休も制度化されていなかった。そのため周囲から「子どもを産むなら離職しろ」などといった批判の声を受けたことを、自身の公式ホームページのコラムでも明かしている。

 しかし橋本氏はそうした批判に屈しなかった。当時を知る自民党関係者は言う。

「橋本さんは出産後1週間ほどで退院してそのまま仕事復帰しました。議員会館の一角にベビーサークルを持ち込んで、授乳しながら会議に出たり、母親としてたくましく振る舞っていたのが印象的でした」

 こうした経験がある橋本氏にとって、森氏の女性蔑視発言を苦々しく受け止めたであろうことは想像に難くない。それでも、森氏の功績を称えて胸像を建立しようという胸中にはどのような思いがあるのか。

「橋本さんは自身もフィギュアスケート選手の高橋大輔との“チュー写真”で批判を浴びた経緯もありますから、森さんの発言についても『それはそれ、これはこれ』と割り切って受け止めているのではないでしょうか。そうした“負の功績”を責めるよりも、森さんのさまざまな功績を称えたいという気持ちの方が強いはずです。普通に考えれば、世間から反対の声があがることは予想できそうなものですが、猪突猛進タイプでもありますから、“父親”のために周囲が見えなくなっているのでは」(前出の自民党関係者)

 現在、胸像は製作中。今後の展開が注目される。

関連キーワード

関連記事

トピックス

10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
高市早苗氏が首相に就任してから1ヶ月が経過した(時事通信フォト)
高市早苗首相への“女性からの厳しい指摘”に「女性の敵は女性なのか」の議論勃発 日本社会に色濃く残る男尊女卑の風潮が“女性同士の攻撃”に拍車をかける現実
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン
日本全国でこれまでにない勢いでクマの出没が増えている
《猟友会にも寄せられるクレーム》罠にかかった凶暴なクマの映像に「歯や爪が悪くなってかわいそう」と…クレームに悩む高齢ベテランハンターの“嘆き”とは
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
六代目山口組が住吉会最高幹部との盃を「突然中止」か…暴力団や警察関係者に緊張が走った竹内照明若頭の不可解な「2度の稲川会電撃訪問」
NEWSポストセブン
警視庁赤坂署に入る大津陽一郎容疑者(共同通信)
《赤坂・ライブハウス刺傷で現役自衛官逮捕》「妻子を隠して被害女性と“不倫”」「別れたがトラブルない」“チャリ20キロ爆走男” 大津陽一郎容疑者の呆れた供述とあまりに高い計画性
NEWSポストセブン
無銭飲食を繰り返したとして逮捕された台湾出身のインフルエンサーペイ・チャン(34)(Instagramより)
《支払いの代わりに性的サービスを提案》米・美しすぎる台湾出身の“食い逃げ犯”、高級店で無銭飲食を繰り返す 「美食家インフルエンサー」の“手口”【1か月で5回の逮捕】
NEWSポストセブン