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腸内環境を整える【食物繊維】理想は“不溶性:水溶性=2:1”で摂取

(写真/GettyImages)

食物繊維はどの程度の摂取が必要なのか(写真/GettyImages)

「第二の脳」「健康のバロメーター」ともいわれる腸。腸内環境を整える最善手はやっぱり「食物繊維」だ。食物繊維はどのようにして摂取すればいいのか。【前後編の後編。前編から読む】

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 食物繊維が豊富な食材といえば、まず思い浮かぶのは野菜や果物。だが、野菜ばかり食べていても不充分だ。一口に食物繊維と言っても、何でもいいわけではない。

 食物繊維は、大きく「不溶性」と「水溶性」の2つに分けられる。不溶性食物繊維とは、その名のとおり、水に溶けない食物繊維のこと。「野菜の食物繊維」といえば、不溶性食物繊維であることが多い。葉物野菜のほか、しめじ、エリンギ、えのきたけなどのきのこ類、ライ麦、玄米などの穀物、ゴーヤー、オクラ、ブロッコリー、かぼちゃなどの緑黄色野菜、ブルーベリーなどにも多く含まれる。

『腸スイッチを入れて排便力アップで長寿を手に入れる』などの著書がある、松生クリニック院長の松生恒夫さんは言う。

「腸の水分を吸い込むことで便のカサ増しをするのが、不溶性食物繊維の特徴です。腸内で便のカサが増えると腸が刺激されてぜん動運動が起き、排便が促される。ただし、不溶性食物繊維ばかり食べていると便が硬くなり、かえって便秘が悪化する場合もあります」(松生さん・以下同)

 一方の水溶性食物繊維は、水に溶ける食物繊維のことで、代表格は、わかめや昆布といった海藻類。ほかには、大根やごぼう、さつまいもなどの根菜類、もち麦、スーパー大麦、キウイフルーツや柑橘類などに多い。

「水溶性食物繊維は、腸内の水に溶けて、ドロドロのゲル状になるのが特徴です。腸内の老廃物をからめ取りながら、便をやわらかく、出しやすくする」

 いわば、不溶性食物繊維が腸内で“ほうき”の役割を果たし、水溶性食物繊維は“洗剤”の役割を果たすのだ。

 そして、腸内細菌のえさになるのは主に、水溶性食物繊維。だが、水溶性食物繊維ばかりに偏ると、下痢ぎみになることもある。食物繊維は、不溶性と水溶性の両方を摂取して、初めて意味があるのだ。

 不溶性、水溶性のいずれも豊富に含まれているのは、絹ごし豆腐、にんじん、里いも、じゃがいも、グレープフルーツ、アボカド、納豆など。

「理想は“不溶性食物繊維:水溶性食物繊維=2:1”の割合で摂取することです。例えば、キウイフルーツ100gあたりに含まれる食物繊維の割合は、不溶性1.8g、水溶性0.7gと、非常に理想的なバランスです。全国の便秘ぎみの親子498組を対象に、1日1個のキウイフルーツを2週間継続して食べてもらったところ、7割弱の人の便通頻度が1日1回以上になりました」

 そのほか、りんごやアボカド、オクラ、大麦、オートミールなども、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維が2:1に近い割合で含まれている理想的な食材だ。

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